ぎをん齋藤
ぎをん齋藤

ブログ

仕上がった摺絵、摺箔帯

先般予告していた摺絵、摺箔帯が出来上がってきた。

まだ試作品の段階で細部の手直しは必要だが完成のイメージははっきり掴める、

卒直に「良い出来」だと判断する。

友禅の技法であれば刺繍などを加えなければ弱々しい物になっただろうが、

顔料と純金とでじゅうぶん間が取れる。

さあ!これからどう展開するか?

次のステップに移るわけだが、差し当たり「訪問着」を試してみたい。

出来れば「群青」の花弁に「緑青」の葉を試してみたい。

昔からこの群青、緑青が高価であった為、贋物作者には手が出なかったので「琳派」の絵の真贋を試すのは、この2色を見ればわかると言われてきた。

良い材料を用いて新しいものを創る作業は実に楽しい、

他のどこの店でも見たことのないものを創る作業は仕事冥利に尽きる。

「たかが着物、帯だが、されど着物、帯である」

この仕事が世の中にどれほど貢献できているかは分からないが、悪事を働いているわけではなく、

京都の染織工芸の伝統を継承し発展させたいと願う気持ちは確かにある。

 

杉本文楽、チケットの最新情報

2/1が公式チケット発売日なので早速、追加の購入希望を申し入れたところ、後30枚の席が確保できた。

一階席の6500円で細美美術館入場券付きである。

ご希望方はお早目にこちらからお申し込みください。

土曜日なので休みの社員も観覧させるつもりである。

お申込みメールフォームはコチラからお願いします

摺箔の前に立ちはだかる壁

摺箔は、シェープの綺麗でダイナミックなものを表現するには申し分がない技法だが、

細かいディテールを描くのが難しい。

期待していた「日月図」の出来がイマイチだ…

当然これから手直しをして納得のいくまで手をかけるつもりだが、最初の一瞥が気に入らないと滅入ってしまう。

いつもうまくいくとは限らないのが物作りだか、気持ちがすっきりしない。

それで職人と毎日連絡を取り合って善後策をやり取りするが、中々決定的なアイディアが浮かばない。

彼の技術は業界でも屈指の腕だから色々と提案し、試験裂を見せてくれるが、これと言った改良案が固まらない。

私の提案する「摺箔」は過去にあったものだが、それを誰も見たことのない、

新しい「摺箔」に完成させたいのであまり技巧に走って、違うものになってしまうを恐れている。

「辻ヶ花」の歴史を辿ってみても、初期のものは無地生地に絞り染めだけでできていたが、その後は墨仕上げや、地色を染め分けにしたり刺繍と併用したりと変貌していくが、私は初期のものが好きだ。

この苦しみが生きる糧になっているのだから楽しんで苦しむことにしよう。