ぎをん齋藤
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稲葉賀恵さん「摺箔」激賞

稲葉さんとは本当に付き合いが長い。

以前のブログにも書いたが、もう30年以上になるだろうか、私が婦人誌の着物連載を始めるきっかけを作ってくれたのは彼女がその雑誌社の専属モデルとして活躍されていた事と関係する。

その後、彼女は「ヨシエ イナバ」のオーナーデザイナーとして一時代を作り上げたキャリアウーマンの魁のような人である。

その彼女が私の摺箔を激賞して電話をくれた。

彼女ならきっと分かってくれると思って画像を送ったのだが、案の定、感激してくれたようで私も大変嬉しい。

彼女は浜っ子で歯切れがよくて、話しっぷりもテンポが早い。

そのテンポについて行けなくて圧倒されっぱなしの私であるが感性はドンピシャの間柄だ。

昔から私が薦めるものは悉く気に入ってくれた。

今は第一線から身を退いておられる様だが私のご意見番として、

美のクリエーターとしていつまでも元気でいてほしい人だ。

きものメーカーの作品展を観て

少し体調が良いので、染物着物メーカーが参画する組合の作品展を覗いてみた。

会場はみやこめっせ、

いろいろな京都の伝統工芸品を展示している行政が後押しする広い会場である。

午前10時に入館したので人はまばらだ。

展示されいる作品の色目はだいぶ明るくなってきたようだ、

そういうと前回見たときは黒っぽい地味な色目が多かったが、

だいぶ現代調になったと安心する。

 

模様の調子は草花模様が9割と相変わらずである。

所々に筆の立つ下絵職人の手に依る大作もあり絢爛豪華なのだが、

今の時代あんな高価な振袖を購入する人はいるのか?と疑問に思った。

 

訪問着にしても豪華なものが多く、

きものが自己主張しすぎて着ている女性(じょせい)が綺麗に見えるのだろうか?

とまた疑問に思った。

 

きものはどこまでいっても

着る女性を美しく見せるための道具でしかないと私は認識している。

 

技法的にも相変わらずの糸目、手差し色刺しの友禅技法、

もうこの技法にこだわる必要はないと思うが、かと言って

「臈纈染め」や「絞り染」では表現に伸びやかさが欠ける。

 

メーカーの参加している組合が縛りをかけているとも思えないから、

矢張り、頭が固いのだろう。

一枚のポートレート

私と柳 孝さんと初めてのツーショットである。

先日私が退院した報告と摺箔の屏風を見ていただきたいとお願いにお伺いした際、

お店の方が撮ってくれた初めてのポートレートである。

柳さんは私の10歳上だから81才のはずである。

あっちこっちが悪いらしいが基本的に頑丈な身体をお持ちだ。

古美術のこと以外にも柳さんから本当にいろいろの事を教わった。

あまりにも多くのことを教わったので例えを挙げるのは難しいが

物の価値、値段をしっかり自分で決める相場観の大切さを教わったのが心に残る。

「布の道標」を出版した際もカメラマンから出版社(先日亡くなった吉岡幸雄氏)も紹介いただき、挙句に序文まで寄稿いただく、ご無理もお引き受けいただいた。

そもそも杉本博司さんを私に紹介してくれたのも柳さんである。

私の人生の師としても同じ町内に住まいする近隣者としても

柳さんと知り合えたのは私の強運の為せる賜物だと思っている。

最近少々耳が遠くなられた様だが、私も五体満足というほどでもないのでお互い命ある限り良いお付き合いをしたいと願っている。