ぎをん齋藤
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伝統工芸展に見事落選

自信を持って応募した「辻ヶ花訪問着」が敢え無く落選した。日本伝統工芸展は若手工芸作家の登竜門として多くの作家が競って応募する日本を代表する応募展である。

なにを隠そう私も以前自作の「羅」織りで新人賞、金10万円をもらった実績がある。しかし悲しいかな老眼のために織り傷を作ることが多くなったので応募するのは諦めていた。

今回は染物の分野で再挑戦を試みることにした。今回の作品「辻ヶ花染」における私の役割は、プロデューサーとして白生地の制作と絞り手法の工夫にアドバイスを与え、数人の職人達と完成させたもので私自身が染めたものではない。

ただ、あまりに出来栄えが良かったのですぐ商品にするには惜しいと思い応募した次第である。

私くらいの歳になると気鋭の作家を目指すという野心はなく、気に入った作品ができたので審査員にご覧に入れよう、万一入選して巡回展示されたら多くの人に桃山時代の辻ヶ花に限りなく近い染色品を見てもらいたいと願ったからである。

残念ながらその思いは叶えられず手元に戻ってくるが、それほど落胆はしていない。今回の作品には自信があり十分満足しているので、他人の評価は気にならないというのが本音である。

ものづくりは突き詰めれば自己満足の世界で、世間で認められるかどうかは別の問題である。