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2016年/06/16
最近、急にぎをん界隈に増えたのが「レンタルきもの」の店である。

雨後の筍のごとく半径
100m10軒ほどが出現した。レンタル料金は全て含めて3000円程度と女性の変身願望をかなえるには最適な値段が設定されている。

お客は若い日本人女性ばかりだと思っていたら韓国人、中国人、白人までがきもの姿で京都の街を闊歩する、ひと昔前には考えられない事態が起こっているのである。

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きものの素材は以前は絹かウールであったが現在は化繊にインクジェットで印刷したコストのかからないものに急激に変化したが、真冬の寒い京都で浴衣
まがいの格好で街を歩く姿はオシャレの為とは言えガマン大会のようで気の毒に見える。

しかし京都の街並みにはきものが似合うと思う感性が民族や国境を越えて共感されるのだから不思議といえば不思議である。

きものは日本の民族衣装だから日本人だけが価値を認めてくれると思っていたが世界の女性が認める説得力のある世界的ファッションであると再認識するようになった。

どうだろう?中国を旅行する人がチャイニーズドレスをレンタルして歩くだろうか?アルプスを旅する人がチロル服をレンタルするだろうか?やはりきものには特別な魅力がその形に宿っているとみえる。

その理由を考えてみると純粋培養されてきた日本の文化形態にありそうだ。第二次世界対戦で一時的に米国に占領されていた以外、1500年間海外からの侵略を受けずに培養されてきた日本の特殊な文化熟成が結晶としてきものに宿っていると思える。


 

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2016年/05/16

先日あるお客様からクレームをいただいた。

人気の御所解帯シリーズの一本に「焼け」あり、作り直して欲しいとの事、返送された商品をみると明らかに「焼け」が見て取れる。ただその箇所が「タレ」から裏へ折り返した「返り」の部分である。

よく「お太鼓」を中心に「焼け」が出るのは、展示会などでスポットライトが原因で起こることは考えられるが「返り」は巻き込まれた部分で通常では考えにくい。

しかも現在、年間約100本程を販売させて頂いているので焼けるほど長期に在庫品として保管しているわけでもない。

ただ、どの箇所であっても購入者には不愉快なことだから、早速代金をお返しして原因を探っている。

考えられるのは糸の問題である。最近生糸の現場で複数の繭種が混合されていると聞いた。同種の繭ならムラなく染まるが異種な繭が織り込まれると正確に色合わせした染料でもムラに染まることがある。

この深因は生糸の産地(中国、ブラジル、日本)などで呉服業界の低迷から品質を保つことが難しくなっているという現状である。原因はいずれにせよ納品前の検品が不充分であった瑕疵は免れない。


 

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2016年/04/18

長く温めてきた「きものソワレ」とそれに伴うトータルコーディネートを婦人画報誌で発表する事になった。

発売は5月1日の6月号、モデルは「あさが来た」で一躍人気女優になった「波瑠」さんである。

誌の企画では一年を12色に代表させて6月号は「青」をテーマにコーディネートしてほしいとの要望があり、既に仕上がっていたソワレ シリーズからブルーの禊萩を選び帯は単衣にふさわしい「透かし織」(縦糸の露出して透けて見える)横段模様袋帯を取り合わせた。
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着物…¥980,000 帯…¥410,000 (着物、帯ともに仕立代込み)
バッグ…¥270,000 草履…参考商品(価格はお問合せ下さい)


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ハンドバッグは自信作カンパネッラの金無地をあわせ、草履は「ない藤」さんに依頼した齋藤織物の織物を使用したヒールの高い特製品、もちろん帯締め、帯揚げも自社製品でトータルコーディネートした作品である。

従来は他社の製品からチョイスして組み合わせてきたが、やはり寄せ集めではテイストの違いが歴然としたが今回はそういう憂いは全くない。

「きものソワレ」は現代の社交着として創り出したものだが、多くの女性は保守的なもので、やはり伝統的な古典柄を選ぶ人が多いと想像している。

従って今回の作品は私が望む現在のきものシーンというよりも近未来的作品と位置付けられるかもしれないが、着物好きの女性に従来のものとテイストの違いを感じてもらえれば、きものが一歩前に進めるのではないか。


 

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2016年/03/26

齋藤織物(アトリエと呼んでいる)で糸箱を見ていて気になる糸を見つけた、艶がなく野趣味のある糸である。

アトリエの担当者に尋ねると「赤城のビス糸」だと云う。私も見覚えがあるので早速調べてみると絹には違いないが桑の葉以外の葉を食べて生息する野蚕が作り出す野蚕糸とある。

その糸を店に持ち帰り使う工夫をしていてフッと頭に浮かんだのが「コプト」織であった。コプトとはエジプトで紀元2世紀頃からコプト人によって織られた衣服で、日本でも一時は美術品として大変珍重されたものだが最近はあまり騒がれない染織品である。
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そのテイストは正にこのビス糸で表現出来ると踏んで第1作は先般の武原展に出品したが案の定目利きのお客様が早速買い求められた。

気を良くした私は立て続けに5作品を試みているが手応えは上々、中々の秀作になりそうである。

素材のチョイスと生地の組み合わせ、さらにモチーフが一体となれば出来栄えは「ヨキもの」に間違いない。このヒントから作品にするまでがものづくりの醍醐味で私の楽しみになっているのだ。


 

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2016年/03/15

東京武原展を欠席して自宅で療養しながらこのブログを書いているがTVでは5年前のあの東日本大震災に関連したニュースが流れている。

家族を津波で亡くした遺族の悲しみは癒えず、復興もまだ道半ばである。
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5年前のあの日も私は六本木の武原ビルで展示会の初日を迎えていた。5階に居た我々はあまりの揺れの大きさに隣のビルとぶつかって崩壊するのではと恐怖に怯えながら揺れが収まるのを待ったのをつい昨日のように憶えている。

しかしあれから5年が過ぎ去っていた。今回欠席したのは昨年来の咽頭ガンの回復が遅くまだ流動食に頼っている有様でとても東京までは行けなくなった。ぜひお会いしたい人もいたのに残念で心残りである。

しかし今年の武原展は来場者も多く、想定していた成績よりも良いと社員から聞かされ、お客様皆様に心よりお礼を申し上げたい。

この時節に私の作った拙作をお金を出してお求めいただく幸せを独り占めにしてはいけないとの思いが募る、震災から立ち上がれない人達に分け与えていかなければならないとTVを観ながら痛感する。

私になにができるのかすぐには分からないが、何かをしなければならないのはハッキリ分かっている。



 

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