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2015年/11/10
第67回正倉院展、今年も大変な数の人が来場しヘッドホンを耳に解説を熱心に聞きながら真剣な眼差しで作品を眺めている。
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何がこれ程まで正倉院は人を惹きつけるのか?聖武天皇が愛した品々、西暦8世紀と言えば今から1300年前の工芸の技を数々見せてくれるからだろうか?

かと言って全ての展示品が初出品かというと、そうでもない。殆どが複数回展示されたことのある品であるにもかかわらず毎回大入り満員状態というから驚く。

私には毎年何万人もの来場者が奈良国立博物館に押し寄せる姿は奇異に見える。
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確かに染織品に関して正倉院御物は「タイムカプセル」と 言っても過言ではない大層貴重な資料だ。
今年の目玉作品は「国家珍宝帳」のイの一番に記載されている「羅地七条袈裟」、読売新聞が私に「羅」の製法を尋ねに来たので答る以上実物を見ておく必要があったので、暇をみつけ奈良を訪れた。

細い糸で織られた羅は唐の高僧より聖武天皇への出家した贈り物だと解説されているが、確かに格調のある名品に間違いない。

今では大切に扱われているこれら御物が明治以前は結構乱雑に正倉院に放り込まれていたと聞くと驚く。


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2015年/11/04
何気なくチャンネルを回していると「宗達」の文字が大きく映し出された。京都は折しも琳派400年に盛り上がっているので、その流れで製作された番組と思える。

しばらくの間番組に沿って進行を追いかけていくと面白いことを言い出した。

私がこのブログで以前に立てた仮説、「宗達は三十三間堂の風神、雷神像を模倣したに違いない」がコメントとして述べられているではないか!

「ヤッパリ」 自分の直感力に驚いた。それが事実であったろう。

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もう一点、「関屋屏風」の左端に描かれている3人の稚児、近づいて見ると一回り大きく描かれた絵が金箔で覆って修正されている。

実は私も染物の技法の一つとして金箔で修正をする事がある、北大路魯山人もやっていた。

ものを作る人間にとって折角の仕上がったのに一部が気に入らないという理由でボツにするのは口惜しい、なんとかしたいと思う気持ちは今も昔も変わらないということだろう。

これ程までに宗達が注目されるのは絵師としての卓越した技量がありながらその出自が不明なのが大きな理由である。

番組の中で山根有三先生が「風神雷神」の顔が宗達本人に近いのでは?との意見が紹介され私も大いに賛成する。大きく眼を見開いてユーモアたっぷりの表情こそ宗達その人であろう、 兎に角久しぶりにいい番組を見られ眼福のひと時であった。 



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2015年/10/28
「社交着」改め「よそいき」とネーミングを変えてはみたものの、やはり「よそいき」はおかしいなぁーと思い再考中である。

一方、作品は順調に仕上がってきて思い通りの出来栄えに内心は満足している。

20年ほど前に「風韻雅趣」と銘打って自然描写をモチーフに華やかな作品群を作り銀座「ミキモト」で個展を開いた事があったが、今回の物と比べると、なるほど作る人間が同じだから好みは変わらない、しかし染技法に於いて一日の長が認められる。

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それというのも腕の良い職人達が私の要求に応えて従来の友禅染から一歩も二歩も進めてくれた成果だと言える。

昨今は コンピューターの手助けで染めることも容易になったが、やはり手で力を込めて作ったものとは 「訴える力」がまるで違う。デジタルは多色に染められていても平坦に見えて魅力を感じない。

物が売れなければ職人を支えられず技術の伝承もできないが、あまりコストを意識しすぎると魅力を失い 結果的に売れなくなる。

みんなが「良きもの」を観る習慣をつけ瞬時に良し悪しを見る眼を持つべきである。沢山「良きもの」を観れば眼の奥に審美力が堆積されると確信する。

来年には新作一連のきもの、帯、ハンドバッグなど「ぎをん齋藤」の新しい側面をご覧いただくことになろう。 



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2015年/10/13
全く仕事とは別件でミャンマーに行くことになり、せっかくならあの有名なインレー湖の「蓮糸」を見たいものだとツテを探し展示会の終了と同時に渡航した。

蓮糸については特別の憧れを持つ人が多いのは確かである。

というのも日本最古の染織品「天寿国繍帳」の生地に蓮糸が使われていることもあるが、沼に咲くピンクの花が神秘的であり天国に咲く花のイメージも影響しているのかもしれない。

絹より軽く蝉の羽と賞賛される蓮布が飛鳥時代にどこで製織されたのであろうか?大和地方か?それとも隋あたりからの輸入品なのか私は知らない。

そんな事を思いながら、 今まさにインレー湖畔のホテルの部屋から湖面を見ながらブログを書いている。

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午後から湖の南端にある蓮工場を見学する予定になっているが、果たして期待するものがあるのか?

ところが前日のヤンゴンで糸を売ってもいいと言う業者が連絡をしてくれた。届けてくれたサンプルを期待を込めて箱を開けると、まぎれもない蓮の原糸と短い布が納められている。

もしかしたらミャンマーと日本との合作が可能になるかもしれないと夢が膨らむ。



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2015年/10/04
私の仕事は引き続き社交着の制作を続ける昨今だが、ある雑誌に社交着というネーミングでパーティーきものが掲載されていたのを見つけた。

自分としてはこの社交着という言葉は独創的だと思っていたのに、既に使われていたので正直言ってガッカリした。

それで違う言葉がないか考えたのが「よそいき」である。

子供の頃、母や祖母がよく使っていたあの言葉である。最近はあまり耳にしないが普段着に対してよそいきモダニズム、なかなか良いではないか。

それを完成させる手法にコラージュを用いてみようと考えている。コラージュとは多様な素材を貼り付けて作り上げる作品を意味するのだが、現代アートにみかける空き缶や針金を接着して色を塗ったタイプの作品である。

きものの場合まさか空き缶を付けるわけにはいかないが古裂をアップリケとして貼り付ける手法は昔から用いられ、ぎをん齋藤の商品でも多用する手法である。

それを古裂だけではなく顔料や金箔、ときには和紙なども利用するのは面白いかと思っている。

もちろん絹の風合いを損ねる結果になるのは致命的であるから、接着の手法は充分吟味されなければならない。



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