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2017年/02/24

販売窓口の会社、染物会社と織物会社の3社で構成されている「ぎをん齋藤」は、社員と職人(外注職人を除く)を合わせ総勢25名で運営されている。

チッポケな会社であることは確かだが、小さくてもキラリと光るダイヤモンドような存在だと自負している。

会社は大きいばかりがいいとは限らない、年商何千億とか言っても見たこともない金額で、人間の身長は太古の昔から数十センチしか大きくなっていないのに会社の規模だけはここ100年で何万倍も大きく膨れ上がった。

人間の身の丈に合っていない規模になると細部がおろそかになるのは当たり前、特に我々のような繊細な感性が重要視される業種は隅々まで主人の目の届くことが肝要であり、大規模は藪蛇だと考えている。

決して負け惜しみを言ってるわけではなく今の規模は適正規模だと思っている。

特技は「御所解」、賞罰は日本伝統工芸展 新人賞受賞 、罰はナシ、今年で創業174年の会社である。

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2017年/02/17
以前に若松柄の訪問着で辺りに漂う空気を表現してみたことはブログでも紹介した。マズマズの出来栄えに上機嫌の面持ちであったが第2作目「杜若」図の訪問着が堂々(?)完成した。

情景を説明すると杜若が咲き乱れる池(京都では大田神社の池)に朝もやが立ちげぶり静謐な景色に思わず佇むといったところ。

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きものの歴史の中でも空気感を表現したものは見たことがない。雨や雪を表したものは数多くあるが、空気そのものを表現するものとしてはたなびく雲か霞くらいのもので、等伯の松林図のような精神性を問うものは染色の世界では見た記憶がない。

きものはご婦人にとって身に纏い自分を綺麗に見せてくれるもの、しかも何十年も飽きがこないものという捉え方だろうが、作り手からすればロマンであり頭に描いたイメージを染めの技法で表現したいと願いながら作る、勿論着る人のことは十分考慮しているが。

売れるとわかっているものだけを作るならそれは「業務」であって自分の一生を賭けるには物足りない、かつて見たこともない物を作りたいと願う心がきものをより魅力のあるものにしてくれる。




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2017年/02/14
 埋もれてしまった元禄小袖を切り付けにして新たな命を吹き込む。
3月に予定している六本木、武原展の為に用意している作品の一つである。

今回のテーマは6月に京都、細見美術館にて開催する「齋藤コレクション展覧会」を記念する会である。手持ちの古裂を利用して切り付けのきものや帯を展示する予定だが、その代表作として「元禄小袖きもの」を制作している。

さすがに完品を潰すのは気がひけるが、今回の裂は小袖を打敷に仕立て変えられたもので傷んでいるところは落とし状態のいいところを選んで切り付けにしている。

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この時代の特徴は大胆な構図と、無地のところがない程、画面一杯に描かれた豪華な大柄模様。絞りの部分も本疋田が施され刺繍もタップリと金糸が使われている。300年前のものとは思えないほど刺繍も鮮やかに残っているのは保存状態が良かった為か。

江戸時代中期に一度きものとしての命を失った裂が再び平成の世に蘇る、ロマンを感じるのは私だけではなかろう。


 

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2017年/02/07

古裂を求めてあちこちの古美術商と話すのだが、これといった出物の話はトンと聞かない。

先日も行きつけの古裂商を訪ねたところ、中国明時代の刺繍を勧められたが私の趣味ではないのでお断りをした。
私の見方では中国の染織品で魅力のあるのは8世紀〜10世紀まで遡らないと「生臭い」感じがする。

古美術市場でも古裂を見かけないという情報からすると「出尽くした」感が現実味を帯びてくる。景気が悪いから売る人が躊躇してしまうのか、収まるべきところに収まってしまったのか、兎に角物がない。

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 写真は古い『鹿の子絞り』の裂


古美術といっても「ボロ布」のような状態のものが多いから、興味のない人が管理するとゴミ箱に捨てかねない、せめて額装にでもしてあれば価値があると気がつくかもしれないが。

現在は非常にマイナーな趣味ではあるが、いずれ見直されて評価が上がるに違いないと確信している。



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2017年/01/31

社員に物作りの要諦を教えるのも私の仕事である。

一番のポイントは作る物に「惚れる」ことで、消費者に迎合する物作りは感心しないと教える。

もちろんコストを考えずに作るのは無謀であり商業的ではないし、売りやすい値段を目指すのは工芸の宿命ではある。

一定のキャリアを積めば、気の向くまま作って高額な商品になってしまっても必ず支持してくれる人は現れるとも教える。その域に達するまで打ち込み続けられるかの問題なのだ。

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また失敗を恐れないようにとも教えている。

その例えに持ち出す話はメジャーリーグのイチロー選手、彼の全盛期でも4割のヒットは打てなかった。従って自分の作ったものの4割が売れれば上出来と言うべきで、すぐには売れなかったものはどうすれば売れるかもう一度加工し直す事を教えている。

私の作風を真似、ぎをん齋藤のテイストを保ちながら新しいものを生み出す腕も20年位磨けば可能だと考えている。




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