ぎをん齋藤
ぎをん齋藤

女将思い出語り

「老いること」が気楽になりました

今年の暑さの中、クーラーの効いた部屋で、久々に、養老孟司先生の著書「老い方、死に方」を手に取りました。先生の御本は、いつも、私には難しくて、理解するのに、少ない私の脳みそを、フル回転させるのですが、今回の本は、一言一句、「ふん、ふん!」と、納得の連続で、それは、私自身が、老後を意識する年齢だからだと思います。

老後の経済的状況は、個人差が有るけど、心身の老化は万人に公平に迫って来る問題で、これは、若い時から意識して、心の準備しておくと良いかな、、と思います。

私も、近年 人生の残された時間や、身体の事など、何とか現状維持に焦ったり、緊張する時があるけど、これらは、自然の成り行きに無駄な抵抗と、再認識しました。
病気になったら、医者の言う事を素直に聴き、余計な治療は周りが迷惑だから、断って、今日1日を、穏やかに過ごす!と、この御本に著されてました。

笑いと、思いやりが自分自身にとって穏やかな人生の秘訣がもしれません。
この御本は、我々世代より、むしろ、若い世代の方々に読んで欲しいと痛感しました。是非‼️

盛暑には上布

気候変動と言われれば納得せざるを得ないけれど、連日の猛暑には、

気が滅入る自分自身に、「これでは いけない!」と自身に喝を入れて、夏を楽しむ事にしました。

外出には、素肌を可能な限り出さないように、主人が、遺した越後上布の着物に、芭蕉布の御所解の染め帯か、

祖母が遺した百年前の着物を帯に仕立て直した芭蕉布の帯か、、、と迷っていると、気分は涼感!

体温調節してくれる麻はやはり猛暑には有難い生地です。

 

 

九月パリ能公演実行に向けて

観世流シテ方 故浅見真州氏のご遺志を継いで、九月フランスパリにて能公演が企画され、実行に向けて今月3日から、日経新聞社が、主軸となり、資金集めの手段として 京都観世流と金剛流がクラウドファンディングを起案されました。

伝統芸能継承の為には、広く活動の場を持ち、周囲の理解と支援が必要で、その一環として今回の公演企画がされたようです。

このプロジェクトを成功させる為には、絶対条件があり、公益性 社会性は勿論ですが、支援者を募る為には、起案者側からの、魅力ある物とか、サービスによって プロジェクトを拡散することが、要となります。

私も伝統世界の末席に生活して居る者として 千年近く継承された能文化が、日本国内だけでなく、

フランスの人々にも感動してもらう為にも、このプロジェクトの成功を心から祈ります。