ぎをん齋藤
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田中創造

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京都・祇園の老舗呉服店『ぎをん齋藤』で、営業・制作に携わっております。古典に学び現代に活きる、オリジナルきもの・帯の創作舞台裏をお届けします。
~お問合せ~
ぎをん齋藤 田中 創造(たなか そうぞう)
☎ 075-561-1207 または 090-8880-1894(直通)
✉ gionsaito-tanaka@outlook.com

再始動!

新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、様々な行事・イベントが中止や延期を余儀なくされ、業界によっては数か月間まったく仕事がない、という状況すら珍しくない非常事態が続いております。

殊に舞台芸能関係は、密閉空間で密集して楽しむのがもともとの姿ですし、出演者同士はどうやっても密着する場面が出てきますから、コロナ禍にあって関係の方々は本当に頭を悩ませていらっしゃると思います。

 

そんな中、緊急事態宣言や諸自粛の段階的緩和を受けて、少しずつ舞台にも明かりが灯りだしております。この日曜日には「京都観世会」の例会が実に4か月ぶりに開催され、もちろん私も馳せ参じました!

チケットは完全予約制、見所の席数も3分の1程度に抑え、地謡は覆面をしての出演…などなど、様々な部分が「元通り」にはならなかったものの、ここを新たな出発点としての再始動であることに変わりありません。

出演された能楽師の皆さまも、それぞれに背負う思いはおありながら、久しぶりの舞台とあって実に生き生きと(能楽師の演技の形容として適切な言葉か分かりませんが…)躍動していらっしゃったように感じました。

 

しばらくは同様の対策を講じたり、春に中止や延期になった公演の振り替えのブッキングなど、悩みの種は尽きないことと察しますが、苦難を乗り越えて伝統の火を燃やし続けていただきたいと思います!

田中も久しぶりの観能となりましたが、お師匠様のダイナミックな舞(チラシ画像の役、『野守』のおシテをお務めになりました)も拝見し、大満足で帰路につきました。

 

コロナ禍で厳しい局面を耐えていらっしゃる能楽師の方々も、動画配信などを通じて全国の能楽ファンに発信を続けておられます。まだ遠出をしての観能などを控えていらっしゃる方も、YouTubeチャンネルで京都観世会、そして大江能楽堂の活躍をぜひご覧ください(^^)/

京都観世会YouTubeチャンネル→https://www.youtube.com/channel/UCQUAGy8j3gkfqw5tWZe4acA

大江能楽堂YouTubeチャンネル→https://www.youtube.com/channel/UCcGGbs0YtC37GJv-1s1baBw

ロウケツ小紋に面白い染帯

昨日に引き続き、ロウケツ小紋のご紹介です。

白地の御所解帯はパッと華やかで、少しよそ行き感も演出されるような組み合わせでしたが、もっとカジュアルに洒落っ気を出した合わせも、気軽なお出かけには良いものです。

お太鼓にドドン!と蕪の帯です。「おおきなかぶ」の童話を思い出します。うんとこしょ、どっこいしょ、それでもかぶは抜けません。

お腹の柄は関東腹、関西腹で異なる柄が描かれています。

お好きな野菜を前面に出してください(笑)

素材は細めの苧麻を使った洒落帯です。

オーガニックマルシェや、有機野菜が売りのお店にお食事に行かれる時、またご自身でお野菜を作られている方など、少し珍しい柄ですが可愛らしい帯ですので、何かご自身とのつながりを見つけてお使いいただきたい一本です。

また、柄のお好みはともかく、このロウケツ小紋に焦げ茶の帯、という色合わせは実に安定感があります。それについてはぎをん齋藤の大番頭、M島先輩からのお墨付きです(笑)

 

蛇足ですが、田中家の畑では6月に入って玉ねぎが収穫されました。

このままにしておくと「玉」の部分はともかく「ねぎ」の部分から腐ってしまいますので、ねぎ部を縛って風通しの良い場所に干し、しばらく乾燥させます。

田中は泉州生まれの田舎育ちなものですから、小学校の登下校中に見かけた「玉ねぎ小屋」の様子なんかを思い出します。

いまはもう順調にカラカラに乾きまして、しばらくの間玉ねぎは買わなくて済みそうです(*´ω`)

正倉院ろうけつ小紋

仕事に関係のない話題が多い田中ですが、本日はオススメしたい薄物を一つ、ご紹介します。

ぎをん齋藤の提案する、暑い時季の装い「すずかぜ」の生地に、正倉院御物から取材した小花の文様をろうけつ染めした薄物小紋です。

畳紙の上に置いてしまうと、生地の透け感などが伝わりにくいので、少しアングルを変えてみましょう…

撞木が透けて見えるほどの薄さ、それでいて絽や紗のように「目」が空いた訳でもなく、盛夏から従来の単衣の時季にまで広げてお使いいただける、現代の着物シーンにふさわしい素材です。

さらにグッと近づいてみます。

遠目には「あぁ、正倉院柄の小紋なのね」で済んでしまうような気軽な雰囲気なのですが、そこに至るまでの手のかけ方は「ぎをん齋藤」ならでは。一つひとつの小花の文様は、すべて職人の手描きロウケツによって描かれており、良くご覧いただくとそれぞれ少しずつ異なる表情のお花になっているのがお分かりいただけるかと存じます。

これはただ単純に手間暇をかけて高価なものを作ろうという訳ではなく、正倉院に代表される天平時代の大らかな手仕事の味わいを再現しようと追求した結果、すべてを手描きで加工するという結論に至ったのです。

 

この「手の味」と、透明感のある地色と生地の組み合わせが実に秀逸で、先ほどの写真に鏡越しに映り込んでいらっしゃるM島先輩と私、田中はこの反物を見かけるたびに「えぇ着物ですねぇ…」と意気投合しております(笑)

合わせる帯次第で、華やかにも、シックにも着こなしていただけると思いますので、本日はパッと明るい色味のコーディネートをご案内いたします。

白地・駒絽の夏の御所解帯「萩・桔梗」とのコーディネートです。定番の菊がメインの柄よりも少し軽やかな印象で、夏向きな柄の御所解帯です。

いい着物ですねぇ(^^)