ぎをん齋藤
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田中創造

田中創造

京都・祇園の老舗呉服店『ぎをん齋藤』で、営業・制作に携わっております。古典に学び現代に活きる、オリジナルきもの・帯の創作舞台裏をお届けします。

勇退

弊店でお世話になっている染めの職人さんが、去る12月15日をもって廃業されました。

特にお仕事のクオリティが下がった訳ではなく、矍鑠としていらっしゃるのですが、御年76歳、50数年もお仕事一筋にやって来られたと聞けば、我々としてもお引き留めする言葉が出て来ません。

西陣織や友禅染という伝統的な染織の世界では、業界全体の高齢化が問題となっておりますが、実際に70代の職人さんというのもたくさんいらっしゃいまして、中には急に病気で倒れられたり、縁起でもないですがお亡くなりになったり、というケースもございます。

 

今回ご廃業を決められたKさんの場合は、その後に我々がお仕事を依頼する代わりの職人さんもご紹介いただき、各所に不都合が出ないよう十分な配慮をなさった上での廃業、という形でしたので、後に残される者としては非常に有難いことではありました。

Kさんご自身も、まだお仕事が出来る状態でのご廃業ということに関して忸怩たる思いがあったそうですが「立つ鳥跡を濁さず」の精神で、今年を区切りにご英断をなさったとのことでした。

 

仕事を終えるところまでも周囲のことを考え、自身の美学を貫く姿勢に、職人の気概を見た気がしました。

本当に長い間、お疲れ様でした。

師走!

「平成最後の」という接頭辞が氾濫している今日この頃ですが、平成最後の師走でございます。

 

銀座の陳列会から京都に戻り、お客様にご提案やご挨拶をしているだけでどんどん時間が経っていきます。商品画像をお送りしたり、職人と加工の相談をしたり、お誂えの手配を進めたり…何か忘れてるんじゃないかといつも不安に感じて落ち着かない日々です。。

かと思いきや年賀状の準備に追われ始めたりしておりますが、今年一年の御商談を全体的に振り返る機会にもなっており、お一人おひとりのお客様の顔を思い浮かべながら、いただいた宿題に応えるべく知恵を絞ったりもしております。

「私に写真を送ってくれるの忘れてるわよ!」とか、何か田中の手落ちにお気づきの方がいらっしゃいましたら、御遠慮なくどんどんご指摘ください!決して悪気はありませんが、足りないところの多い人間ですので…(;’∀’)

 

今年のことは今年の内に。

しっかりとやるべきことを済ませないと、新たな年を迎える体制になりませんね。

時の流れに置いていかれないように、歩みを緩めることなく進んで参ります!

 

※久しぶりに母校の前を通りがかった時の写真です。平成最後のクリスマスも間近ですね☆

養老

大江社中の新年会に向け「養老」に取り組んでおります。

「菊慈童」や「猩々」と同じく、不老長寿の霊泉を扱う曲で、着物の柄のモチーフとしても好んで用いられるものの一つです。

弊店の御所解にも「滝」や「流水」を描いたものが多く、取合せる文様に水桶や芍薬の花冠が登場すれば「養老」、塩桶や石枕があれば「猩々」や「菊慈童」ということになるでしょうか。

 

「源氏物語」などの古典文学や謡曲の知識を前提として、謎解きを誘うような柄付けの為されるところは、よく言われることですが着物という文化の特徴的な、面白い点だと思います。