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齋藤織物 株式会社

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ぎをん齋藤で販売する帯の製造を行っております。
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ジャガード機械の交換その②

さて、ここからは機屋さんの出番です!

機の上にある壊れたジャガードを下ろして、新しいものを乗せかえる…言うのは簡単なのですが、実際となると大変な作業です。

 

重量のあるジャガードは機の最上部にある為、地震などでズレたり落ちたりしない様、

また不具合があれば織り手も機に上り、ジャガードなどを調整、修理したりする為、角材などで天井や壁にしっかりと固定してあります。↓

それらを全て外し、古いジャガードを下ろしていきます。

 

古いジャガードが降ろせたら、新しいものをのせます。木製から鉄製に変わりました。

↑(とてもキレイな子がアトリエに来てくれました!笑)

ここまでは序章にすぎません。

 

本題はこの先!

機に沿わせて、3メートルほどの鉄製の頑丈なポールを用意するところから始めます。

しっかりとポールを固定したら、そこに設置したチェーンブロックを使って(上から)ジャガードを吊り下げ、引き上げていきます。

 

 

「みこし」と呼ばれる木製のジャガードの土台部分をまず機の上に置き、更にその上にジャガードをのせます。

↑木製の木枠部分が「みこし」

 

次に、ジャガードを元の物と同じ高さ(ツウジの長さ)になる様上下を、また機の中心が狂わない様前後左右、水平も取り、ベストな位置へと合わせていきます。

 

ジャガードをのせたら、外したツウジを吊るしていきます。

ここも失敗できない重要なポイントです!

400程あるツウジの順番を間違えると紋様がちゃんと織り出せないのです。チグハグに吊り込んでしまうと直すのは至難の業です。

集中して、一人で初めから終わりまでを担当します。この作業は織り手がしました!

 

しっかり、吊り込めました!!

 

 

↓ジャガードの命令で経糸を引き上げる時に必要なシャフト(芯棒)と巻き上げる為のたいこ、シャフトの受けの部分も取り付けていきます。

ジャガードをしっかりと固定できれば交換の作業は終了です!!

が、まだやるべき事があるのです。

本当の完成は次回…!

 

安井

ジャガード機械の交換 その①

先日、年代物の400ジャガード機が壊れてしまいました…

木製の本体のため可動部分が経年劣化で木目にそって割れてしまい、ついに交換することになりました。

何十年も前からゆがみや故障を直しつつ、騙し騙し使い続けていましたが、限界がきたようです。長い間お疲れ様でした。

(サムネイルは側面に捺された機屋さんの焼印です。味がありますね。)

 

取り外す前に、竜頭(S字管のついた紐)からツウジ(経糸の通ったソウコウを吊っている紐)を順番通りに外していきます。

また、他の機の故障に備えて使えるパーツを外して保管しておきます。

 

空っぽになりました~

取り外したパーツ↑ どっさり!

 

これから機屋さんにきていただき、新しい機械の設置をお願いします。

 

続きはまた後日。

 

夏 軽やかな帯

蒸す暑さが続いていますね。

祇園祭りも終わって、町もすっかりふだん通りで、夢でも見ていたようです。

さて今回は夏の織帯 三本紗のご紹介。
三本紗は米織りの一種で、齋藤織物オリジナルの組織です。通常二本で交差させる捩りを、三本一組で平と2種の捩りを交互に繰り返すことで、独特のシャリ感とレースのような繊細な透かしが魅力の帯です。

密度の高い平の組織と捩りの組織で生地で現れる陰影。生地そのものの独特の風合いが魅力。

経糸を交差させる捩りの口でどうしても経糸の上がりが不揃いになるため、
杼は一等薄いものを使って、慎重越します。何越かごとマメに手鏡で表をのぞきながらコツコツと織り進めていきます。

ふっくらと華やかな絹糸の絵緯が通るお太鼓と腹紋の合間をつなぐ地紋も華やかで織っていて楽しい帯です。

魅力的な帯をたくさんご用意できるように、がんばります。

宮地