ぎをん齋藤
ぎをん齋藤

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きものをアートに昇華できるか?

最近日本の伝統的な食、住が欧米で見直され、再評価される例にいとまがない。

寿司は以前から海外でも知られているが、最近では和食が世界遺産に登録され、もてはやされいる以外にも日本酒、熟成肉、和菓子、盆栽、京都に押し寄せるインバウンド客の増大、若冲ブーム、そして日本人建築家による建物や現代アートなど20世紀初頭のジャポニズムを連想させる事象が巻き起こっている。

 

しかし「きもの」は一向に評価が上がらない。私はそれは当然だと感じている。今の染織業界は私も含めて作品に芸術性と力が欠けていると思っている。精神性がないと言った方が正しいかも知れないが、売ることばかりに傾倒してアートとしての精神の高揚が感じられない。

 

形は問題じゃない、安易な染織技法への拘泥と精神性に欠け、古い技法に頼りすぎている。もし、脱皮を本気で志せば、日本人の繊細な感性と表現力で衣類としてではなく「観賞用芸術品」として海外でも認められるはずである。安易な転用で誤魔化そうとしても目の肥えた欧米人には通用しないと知るべきである。

 

「じゃ、お前は出来るのか?」と尋ねられると、「今はできない。」と答えるしかない。職人による分業制を長年保持してきた染織業界を職人のマインドから変えていくには、強い指導力と私自身が目指すものをイメージできるかが問題だ。