ぎをん齋藤
ぎをん齋藤

ブログ

職人と世相

「歌は世につれ、世は歌に連れ」という諺がある これは歌に限らずファッションの世界、着物の世界にも通じる。

昨日、着物専門誌を眺めて感じたことは、いわゆる訪問着風の裾模様が現在少なくなって、

小紋や簡単な付け下げのものが主流として取り上げらている。

ということは消費者のニーズはそのあたりにあるということだ。

確かに女性の集まりにあまり豪華な裾模様を着ていけば仲間から浮いてしまうだろう、

と言うデリケートな感性が働く気持ちもわかる。

我が家の昔の作品写真を見ても、どれを見ても一枚の日本画のように立派な訪問着が写っているのに改めて驚かされる。

現代の着物のように流れが変わってしまえば、下絵の職人自体の必要性がなくなってしまう。

世の中に着物ファッションを生み出すのが我々の仕事だから世の中の動きをよく観察し時代の流れを読み取る事が重要である。

日本人女性の多くが着物ファンである事には違いはないが、世相に合わない着物はセンスの良い人ほど身につけない。

消費者も職人も真剣だ。

その中間にあって時代の空気を消費者に伝え作るのが私の仕事である。

ゆえに正しく伝えなければ職人は仕事をなくし消費者を着物離れをする。