ぎをん齋藤
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「御所解」(ごしょどき)

「御所解」(ごしょどき)について話を聞きたいと、「きものサロン」の編集者がやって来た。

「御所解」とは19世紀初頭から起こった日本版ルネッサンスの影響で、日本の古典文学を題材にした着物が流行り始め、武家屋敷勤の女性の制服として広がり、明治以降に「御所解」(ごしょどき)と名付けられた一連のきもののことである。

基本的には「御所解」様式に則った技法で染め出されたものを言うが厳密な決まりがあるわけではないので「もどき」も含めて「御所解」模様と呼んでいる。

様式に則った技法とは「白付」(模様の部分を糊で白くあげる)、「カチン(墨)仕上げ」、「摺り疋田、」友禅の彩色ではなく「縫取り」の4点は基本とすべきであろう。ぎをん齋藤では、この基本を忠実に行い、染帯や付下げなどを170年以上作り続けている、正真正銘の「御所解屋」である。

この江戸末期の美が200年以上支持され続けているのは驚くべきことで、これ以外の物で200年以上作り続けられているものと言えば、例えば「墨」?とかは思いつくが衣服では想像がつかない。調べてみるとジーンズの歴史は19世紀中頃、炭鉱労働者の服に始まるという。「御所解」と「ジーンズ」、不思議な取り合わせだが歴史的には同時代に作られ、今でも続けらている衣服である。

きものサロン秋冬号の発売は8月20日とまだ先だが楽しみである。