ぎをん齋藤
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単衣、夏物異変

そろそろ単衣、夏物の制作が本番の季節になった。最近の傾向からして6月、9月は単衣、7月、8月は夏物として厳密に区別するのは現実的ではなくなったと考えている。

 

 

6月から9月までの単衣夏シーズンを共用できる素材で提案する方が喜ばれるようになった。きものの「決まり事」は時代とともに変化して当然で、何が何でも守らなければならないと言うほどのことはない。伝統的衣装としての格調を満たしていれば「決まり事」に固執する必要はない。

 

「きものは世に連れ、世はきものに連れ」である。私のように半世紀もこの仕事をしている人間は意識はしていないが観念が固定化されてしまっているところがある。

 

きものはファッション産業であり、常に現代性を持ち合わせていなければダメだと思う。兎角「伝統」や「習慣」が必要以上に重視され、あたかもそれから外れると間違いのように言われるのは行き過ぎだと思う。今年は新しい「無双」にチャレンジしてみるつもりである。