ぎをん齋藤
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新しく手に入ったのは8世紀のソグド裂

ソグド人とは中央アジアのペルシャ系農耕民族で中国、唐時代には「胡人」と呼ばれた。

「胡弓」という楽器は日本でも有名だが、その「胡人」である。

ギリシャの唐草模様やペルシャの連珠紋を中国や日本に伝えたのもシルロードの民、ソグド人である。

今回手に入れた裂は15cmx35cmと小さいものだが地色の赤が綺麗に残っていて絹の艶も鮮やかだ。

8世紀といえば「正倉院」と同時代の貴重なものである。

当時シルクロードでは絹と金は等価で取引されていたので高価な衣類であったに違いない。

模様は「孔雀」だが周りは連珠ではなく植物の葉?になっている。

赤色染料が植物由来の「あかね」や「紅花」ではなく「ラック」と呼ばれる虫から抽出した動物由来の染料ゆえに1300年も経った現在でも赤が残っている。

日本の染料は植物由来が中心なので、日光にあたるとすぐに変色して茶色っぽい色になる、特に赤は弱い色である。

さて、今年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」は再開未定のようだが、登場する農民が、化繊のピンクや鮮やかな緑の農服を身につけているのは余計なお世話ながら気に入らない