ぎをん齋藤
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現在、齋藤織物では工場(アトリエと呼んでいる)の責任者候補生を探している。

最も相応しいのは織物のノウハウを知る紋屋(模様を織り出すためのパンチカードを作る職業)の若手が理想的だと思っている。なぜなら紋屋と織屋が一体となって各々の技術を伝承していくのがベストだと信じているからである。

分業制で成り立ってきた染織業界は、生産数が多い時代はメリットがあったが、これほど数が減ってくると統合していかなければ立ち行かなくなってしまう。大手の銀行でも財閥の垣根を超えて統合しているのに染織業界が未だに分業制に固執しているのは遅れているとしか言いようがない。

少なくとも昭和40年代のような黄金期が再び訪れることはまず無いのは明白なのに、何人かに声をかけてみても芳しい答えは得られない。

個々の利益のみを追い続けるのではなく、社会的責任に重きを置き技術を持ち寄って伝承を考える時期に入っている。複葉式多色織を真骨頂とする西陣織を絶やさぬよう守り続けなければ、一旦途切れてしまえば再興は難しい。