ぎをん齋藤
ぎをん齋藤

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私が消費者に伝えたい事

私は物作りを通して「上質」と「センス」を伝えるのが仕事だと思っている。上質な物をわかりやすい言葉で表現すると「薄くて軽く温かいもの」と言い換えてもいい。この定義は和服だけに限らず洋服の世界でも同じことがいえるのではないだろうか。

 

和服の中でも織帯に例えれば手織りのものは「薄くて軽い」、逆に重いもので上質なものはない。絹が昔から最上級の繊維として珍重されてきたのは「薄くて軽く温かく艶がある」、という他の繊維にはない特徴があったが故で、平安時代の十二単衣に見るごとく12枚も衣装を重ねて立ち振る舞いすることは他の繊維では不可能である。

一方、私の「センス」を論理で説明するのは不可能だ。私が作るものをセンスがいいと感じて頂ける人に感謝するのみで、感じない人にいくら説明しても理解されるものではない。ただ私が古い優れた美術品を数多く観てきて共通する「センス」、「美意識」があることに気付いているのが強みというか自信である。