ぎをん齋藤
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見習い織職人 Nさん

昨年6月に研修生として齋藤織物に入塾したNさんが異例の早さで、この1月より正社員になり、プロの織職人として働くことになった。

これは異例の早さで、通例最低1年は塾生として技術を磨いてもらう必要があるのだが、Nさんは持ち前の熱意と技術習得の早さで、半年で職人としての技術を身につけた、正に天職と言うべきか。

古来、木綿や麻など日用的な織物は女性の専業として自給自足の歴史がある。そんなDNAを強く受け継いだNさんである。

織物会社の中は、大きく分けて3つの仕事に分類することができる。「織職人」「糸巻き、配色など準備作業員」と「織物設計者」の3つである。この中で極端に難しいのは「織物設計者」である。

経糸と緯糸をどう組み合わせると仕上がりはこうなると、設計する仕事で、コンピュータに例えるとプログラマー(設計者)とキーパンチャー(織職人)の関係である。しかも現在の西陣にはプロのプログラマーはほとんどいないのが実情である。私でさえ当社の川口部長に全面的に頼っている。

今後の西陣織を展望すると、このプログラマーを養成出来なければ過去の遺産を食い潰すしかないであろう。