ぎをん齋藤
ぎをん齋藤

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3月六本木陳列会

今年の作品テーマは「神坂雪佳」を取り上げてみた。

雪佳は昭和の最後の琳派として京都で活躍した絵師で「ぎをん齋藤」でも下絵職人として祖父の時代に使っていたので肉筆絵も何枚か残されている。

それらを活用した帯やきものを現在制作している。

画風は「尾形光琳」の柔らかなタッチに昭和のモダンニズムを加味した画風で琳派の良さを見事に受け継いでいる。

魅力的なものを作ろうとすれば今までには無かった新鮮味が必要なのだが、

私が悪戦苦闘している「摺絵」「摺箔」は今までの技法で作られたものとは一線を画する魅力がある。

その技法を用いて「神坂雪佳」に挑戦してみるのは作者としても楽しい仕事であるが定石がないだけに魅力のある物を作り出す悩みは深い。

こんなご時世に着物や帯を作るなんて、コロナ禍で何か悪い事をこそこそやっているかの様で後口が悪いが、

コロナに負けて愚作を作るようでは先祖に申し訳がたたないので精いっぱいもがいている。