ぎをん齋藤
ぎをん齋藤

女将思い出語り

景気動向指数が上がると、、

今年も桜が4月を待たずに散り始めて、春の過ぎ去る速さに気持ちが急かされる思いですが、京都の街中は移動制限がなくなり、観光客と花見客で3年振りの賑わいです。

その様子を見ていると、だんだんと、人、物、お金の動きが活発になり、以前の好景気を取り戻すのかなぁ、、と期待感が湧いてきます。

近年数十年は不景気による消費の冷え込みと、世界的マーケット移動が有りました。

私も仕事について半世紀、そんな経済と流行り色との関係で、興味深い傾向が有るのです。

不景気に流行る色は着物と帯で例えると、白目に近い薄い色の組み合わせで、存在感の希薄です。

逆に景気動向指数が上がる気配を消費者が感じ始めると、濃くて深い色めに惹かれて、上品で洗練された、落ち着きのある組み合わせに移行していきます。これは、私の実感です。

※雑誌「ミセス」’94  10月号掲載《齋藤貞一郎の染織譜~10月》より

 

1日も早くこの指数がどんどん上がり、多くの女性達に好景気色を愉しんで欲しいです。

当店も期待して、せっせと洗練された深い色めの着物を製作し始めました。乞うご期待!