ぎをん齋藤
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殿上の雅

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉がありますが、お彼岸を前に秋の訪れを感じる京都です。みなさまダブル三連休の第一弾はいかがお過ごしでしたでしょうか?

私は土曜日はお仕事のローテーションでしたが、日曜日には岡崎・細見美術館さんに『京都の御大礼』展を観に出かけて参りました。

田中は昭和の終わり頃の生まれですが、平成への改元の記憶というのは残っておりません。そういう意味では初めて目の当たりにするであろう来年の改元を前に、これは是非予習しておかなくては!という訳です。

 

過去の即位式や行幸の様子が描かれた屏風や、式典にまつわる様々な資料が展示されており、宮廷の雅やかさが視覚的に伝わって来ました。

 

そういった儀式や宮中の行事などの知識に精通した者のことや、教養や才芸に優れた人のことを『有職』と呼びますが、有職の人々が身に着ける衣裳に用いられた文様のことをまた『有職文様』として、現代のきものや帯に活かされています。

ところで、恥ずかしながら今更に『源氏物語(谷崎訳)』五十四帖を通して読み進めている田中ですが、今回の展覧会に行ったことで、物語中に描かれている儀式や祭典の内容ともリンクしてイメージが再構築され、物語の新しい楽しみ方を得た気がしました。

 

きもの作りの現場では、様々な草花や器物の文様を扱うことになりますが、中でも王朝文化と直結する雅やかな文様は『源氏物語』の世界から引用されてくることも多うございます。

入社当初は「これが御簾の柄だよ」と先輩に教わり「なるほど、これが御簾か」と思っていただけでしたが、今ではこの着物を見るにつけ、源氏物語の『葵』や『野分』の帖が想起され、単なる文様の背景に宮中の雅やかさを感じるようになりました。少し大げさですが、きもの文化の奥深さですね。

 

つれづれに記事を書き過ぎてしまいました(;^_^A 本日はこれにて。