ぎをん齋藤
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THE GREAT TAMER

京都市内各所で祇園祭の「鉾立て」が進み、洛中の交通網も急速に混雑して参りました。

職人さん回りで毎日市内を動き回る身としては少々辛いところもありますが…(笑)お祭りムードの高まりを感じます。

 

さて、この週末も三連休ということでお出かけの方も多いかと思いますが、田中は休日には畑か美術館か舞台に出かけることが多いです。先週末も岡崎の「ロームシアター」(旧京都会館)に「THE GREAT TAMER」という舞台を見に行っておりました。

2004年アテネオリンピックの開閉会式の演出を務めたディミトリス・パパイオアヌーさんの舞台です。

一言で「こんな舞台でした」と語るのが非常に難しい公演でした。分かりやすいストーリーがある訳ではなく、出演者が何かセリフを喋るでもない、BGMと呼べるものは極端に引き延ばされたヨハン・シュトラウス2世の「美しく青きドナウ」が流れる時があるだけ、舞踊と演劇とインスタレーションの中間に位置するような不思議な作品です。

舞台の上に、ギリシア神話や聖書の世界を描いた古今の名画や彫刻が次々に展開されていくような、歩き回らずに美術館の名品の数々を鑑賞させられているような、そんな感覚にもなりました。

 

この作品を形容するのに「アヴァンギャルド」という言葉が浮かんだのですが、よくよく考えてみると本作品のような舞台表現は、現代においては世界各地で広く試みられ、受容されており、多分に実験的な要素は含まれるもののもはや「前衛的」とは言えないのではないか、と思いました。

分かりやすく「泣ける!」「笑える!」「胸が熱くなる!」というのも好きですが、こういう切り口の舞台を見ると表現力とは何ぞやという認識が更新される気がしますし、こんなこと考える奴がいてそれを楽しみにしてる奴らが大勢いるのか…と思うとやっぱり「人間って面白いなぁ」と思いますし、なかなか楽しい時間を過ごせた週末でした。

 

この週末は私、田中のお師匠様が出演される「敦盛」を拝見する予定です。日々勉強です(^^)/