ぎをん齋藤
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羽衣

5月に入った途端に一気に季節が進んだような気が致します。

新緑の美しいこの季節、田中が一年で最も好きな時季です。今年は街へのお出かけは自粛ですが、人の少ない山や川が近所にあれば、ぜひ出かけたいところですね。

さて、早くも真夏日を観測した京都から、暑い時期の新たな装いをお届けします。

弊店のお客様はご存知の方も多いと思いますが、こちら「羽衣」の着物です。もれなく無双仕立てにして、6月~9月暑い時期に通してお使いいただきたいお洒落な着物です。

今回は生成地に金彩加工を施した下地に、水色のもやぼかしで染めた上地の組み合わせです。様子をつけた金彩の桔梗が、まるで水中に揺蕩うが如くぼやけて見えますね。極細の絹糸で透け感を最大限に引き出した「羽衣」の生地の魅力を遺憾なく発揮しております。

寝かせた画だとイマイチ分かりにくいと思いますので、反物を立ち上げてみましょう。

透ける生地を二枚重ねたことによる波紋のようなモアレがご覧いただけますでしょうか。ちょっと不思議な雰囲気ですよね。これが今イチオシの、新しい夏の装いです!

ついでに帯も合わせてみました。

何とも涼し気で、軽やかで、夏のうだるような暑さを一瞬忘れさせるような神秘的な雰囲気が漂っております。

これを「羽衣」と呼ぶはまさに言い得て妙、と感じます。

 

能楽の「羽衣」は実に美しく、特に有名な曲の一つですが、田中もとても気に入っている一番です。素人くさいかも知れませんが、キリの大ノリがいいですよね。カタルシスですね。ピンポイントで言えば「いや、疑いハ人間にあり。天に偽りなきものを」というくだりがこの物語のテーマを象徴しているようで大好きです(笑)

まぁそれは置いておくにしても、天女の羽衣のような規格外の美しさ、ぜひ一度ご体験ください!