ぎをん齋藤
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摺箔いろいろ

午後になって急に雲行きが怪しくなって参りました、ここ祇園・新門前通りです。
徐々に風も強くなり、なにやら秋の嵐を予感させます。

午前中にお越しいただいたお客様は、雨に遭われなければ良いが…などと思いつつ、師走の銀座展へのご案内状に封入するご挨拶文などを準備しております。

先般の京都展では「刺繍」の作品をテーマとして多数ご覧いただきましたが、今日は「御所解」と並ぶ定番となった「摺箔」についての御紹介です。

「摺箔」とは、そもそもは金彩加工の一技法の名称ですが、桃山小袖における「縫い箔」のそれを、刺繍から独立させた主役として取り出し、桃山時代を感じさせる大胆な取り方と繊細な顔料描きのコントラストによる芸術性を極限まで高めた、全く新しい表現方法としての名称に昇華させたのが、ぎをん齋藤における「摺箔」でございます。

雲や松の形をした「取り方」の中に、細かな草花文様が金・銀箔と仕上げの顔料描きで散りばめられているのですが、一つ一つの文様を取り上げると、実に様々なモチーフが採用されていて、見飽きるという事がありません。

例として画像をあげましたのは「沢瀉」のモチーフですが、他にも鶴や梅や橘、貝や巴など、考えてみても関連性が良く分からないものも出て来ます。

これからは、本歌となった桃山時代の「古裂」から忠実に取材しておりますので、中にはそうして説明不可能な柄の取り合わせも存在する訳です。

商品やサービスに対する「説明責任」が強く問われる現在では、そんなことで良いのか!とお叱りを受けそうな気もしますが、その「よくわからないけど良い」という感覚を、無理に取り繕うことなく、今後も大切にしていきたいと思っています。

12月9日~11日、久しぶりの銀座展です。お楽しみに!