ぎをん齋藤
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大城大

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ぎをん齋藤スタッフによる、染めに関わるウンチク+京都な日々をお届けします。敷居の高い印象を持たれがちな弊店を、少しでも身近に感じて頂ければ幸いです。

麒麟はまだか

当blogを閲覧頂いている皆様もストレスが相当溜まっていらっしゃるのではないかと思います。

そんな中でのストレス発散というか、大城の楽しみのひとつは、大河ドラマ「麒麟がくる」の放送です。

タイトルになっている「麒麟がくる」の意味は劇中でも語られていますが、

麒麟は中国に古くから伝わる霊獣で、戦乱の明けた平和な世に現れるそうです。

なんとタイムリーなタイトル。

戦乱期のようなこのご時世、来てくれるもんなら「麒麟さん早く来ておくんなまし」です。

その「麒麟がくる」では何かと「桔梗」に話題が及びますよね。

今日はその桔梗の帯をご紹介。

 

桔梗はぎをん齋藤の御所解柄にもよく登場しますし、秋の七草にも名を連ねています。

新人当時、秋の七草を「おすきなふくは?」で大城は覚えました。

お=オミナエシ(女郎花)

す=ススキ(芒)

き=キキョウ(桔梗)

な=ナデシコ(撫子)

ふ=フジバカマ(藤袴)

く=クズ(葛)

は=ハギ(萩)

この「おすきなふくは?」のフレーズは出てきても、肝心の花の名前が出てこないなんてこともザラですが笑、

桔梗だけは忘れずに言えてます。それだけ存在感があるというか、大城は好きな花なんでしょうね。

以下の画像は、夏帯(6月~9月着用)でご用意している萩桔梗の御所解帯。

他のスタッフblogでも色違いが出ていますが、大城からはこんな雰囲気でのコーディネートをお勧めさせてもらいます。

着物はほんのり紫を帯びた縦しけが上品な、6~9月着用の着尺地。

年齢を問わず、時代を問わず、長くお使いいただけるテイストです。

来年用にでも是非ご検討ください笑。

無双で脳トレ

「この着物にこの帯をあわせるんですね!自分では思いつかなかった!」

なんてお声を頂戴すると、呉服屋的にはちょっと鼻高な訳ですが笑、

どんなコーディネートにしよう?って考えるのは実はかなり「脳トレ」要素を含むと大城は思ってます。

中でも、大城が非常にカロリーを消費する「脳トレ」が無双の着物。重ねるとどうなるか。考えだすと面白いんですけれど、すごく疲れます。

今回、一枚で薄物の着物として用意している「すずかせ濃紺地・紫陽花」の反物を無双下として扱うことで、カロリー消費に励みました。

以下ご覧くださいませ(*’▽’*)

 

こちらの着物、地色の濃紺と金彩で描いた紫陽花の花のコントラストが非常に鮮やかで、ハッと目を惹く印象です。

単独で薄物として仕立てても十二分に素敵な仕上がりになりますが、

ここに一枚、「羽衣」の生地を重ねますと、濃い地色よりも柔らかい地色・印象の方が好み、という方にも目を向けていただける印象に早変わり♬

重ねる「羽衣」も、水色のもやぼかし、黄色のもやぼかし、の二手を試してみました。

 

 

いかがでしょうか。結構変わりますでしょ??

 

どちらも柔らかいタッチとなった上、実際には二枚の生地を重ねたことによるもモアレ感も加わりますので、これまた面白い。

いま手元にはありませんが、この羽衣に雨をイメージしたような、縦に走る銀彩なり、縦シケのぼかしをあしらったものを重ねても絶対素敵だろうなぁと想像しました。はい、グッとカロリー消費です笑

はてさて皆さまはどちらの重ねがお好みでしょうか。

紫陽花の季節はもう目の前です♬

 

妄想コーデ

静寂が耳に痛い京都です。

全国どこでもそうなんでしょうね。いやいや、世界中か。

カラスの鳴き声だけが遠くから聞こてきて…ディストピア感がすごい…(=_=)

こんなときはですね、一人遊び好きな大城は妄想にひた走ります。

今日は夏を見据えた妄想コーデ。

例年であれば

「大城さん、なにかお勧めの単衣・夏物ってありません?」

「売る程ございます。覚悟してください。」

なんて掛け合いをしてる時季。

これも妄想(泣)。

ただし、以下に掲載するお着物たちは妄想ではなく、ちゃんと店にございます。

前回のblog記事を受けて「箪笥の整理してますよ〜」

と、メッセージくださった奥様方。

準備してください笑。

 

 

 

上画像の品は6~9月にご着用いただける着物帯です。

お着物の素材は、度々弊社のblogでも紹介している薄物生地「天の川」。

やや透け感のある様子が、拡大画像からお伝えできていると良いのですが、画像撮影も大城精進中でございます。

絞りであしらった柄は一見すると雪の結晶のようですが、「麻の葉」模様がベースとなっています。

日本では古来から「麻」は神聖な植物とされてきました。「麻」は虫がつきにくかったり、繊維として丈夫だったり、植物として育ちが早かったり、とにかく有用。神事関連でもいろんな所で「麻」が使われていますよね。「麻の葉」は厄除け・魔除けの模様なんです。(あくまで願掛けなのでこの柄に抗菌性を期待しないでください苦笑)

そんなウンチクも頭の片隅に置きながら、あとは見た目を楽しんでいただければと。透き通る水色に染め抜かれた幾何学模様は色んな帯とあわせやすくて、気軽なお出掛けに重宝いただけるはずです♪

帯もここでは夏紬という野趣味ある素材に傘と楓を描いたものを合わせました。春単衣から秋単衣の間まで長くお使いいただけるモチーフ。

今年の夏がどんな様相となるのか想像は難しいですが、願わくば、「この着物帯でお出掛けしたい!」なんてお声を頂戴できるようなムードを迎えていてほしいものです(^^ゞ