ぎをん齋藤
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齊藤康二

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京都東山の祇園一角に店を構えて170年余り、
呉服の専門店として自社で制作した独自の
染物・織物をこの弊店で販売しています。
ぎをん齋藤の日常からこだわりの”もの作り”まで、
弊社の魅力を余すことなくお伝えしていきます。
皆様からのお問い合わせ、ご質問などお待ちしております。
◆お問い合わせ
ぎをん齋藤 齊藤康二
TEL:075-561-1207
(Mail) gion.saitokoji0517@gmail.com

単衣

連休も終わり、5月の中旬ともなれば程よい暖かさになり

そよ風を肌に感じ、春の訪れを満喫できる季節なのですが、

世相はまだまだ厳しく、緊急事態も延長され緊張感の

抜けない日々が続いています。

外を散歩するたび、こんなに清々しく、心地よいのになぜ?

と、街の空気、物静かさを目の当たりにするとこの季節を

満喫できないことに寂しさえ覚えます。

それでも、もう少しの辛抱、もう少しの、と思い直しつい、

ワインボトルを片手に帰宅することが慰めとなっています。笑

さて、今回はひとえのご紹介です。

6、9月と両方お召し頂ける菊水の付下と、白地の貝の袋帯、

爽やかな地色に古典柄の菊水、流れるように菊が配置してあります。

白地の袋帯は三本紗という織に色とりどりの貝が散りばめてあります。

色目は写真よりもう少し明るい、透明感のある色合いです。

生地は御戸代という光沢のある艶やかな風合い、

この着物の柄付けは流水が絵羽付けになっており、菊はポイントに配置されて

いるため、一見訪問着にも見えますが菊の量は最小限におさえられ、

すっきりとした柄付けですので、付下ということになります。

 

菊の友禅にはクリームの濃淡色を使い葉は緑ぼかし、地色との色合いもいい感じ

に仕上がっております。またその菊にはポイントに銀コマという刺繍がほどこされ、

単調な色彩によりインパクトのある銀糸の光沢が高級感を増しています。

 

生地の地模様には青海波という古典柄が施され、紗の織目は涼し気な夏物

らしい透け感があり、地模様の青海波、唐織の貝文をよりいっそう引き立て、

軽やかで愛らしい、夏袋帯に仕上がっています。

こちらは付下、訪問着共にご使用できますので、単衣、夏物の季節には

ご活躍まちがいなし、ですね。

 

 

 

 

 

 

 

まもなく5月

先日、京都にも非常事態宣言が発出され、どこもかしこも

臨時休業の張り紙が貼られ、シャッターが下ろされています。

街の声は様々、しかし個人的には遅い!というしかない。

ま、今回も政策の急な変更をまやかすための発出だったのだろう、、、

と思わざる得ないタイミング、間の悪さが露呈したかたちとなった。

とにもかくにも、一律10万円の給付は国民の怒り、不満の矛先を

わずかながらも逸らしたのではないでしょうか。

暦はもう4月後半、まもなく5月です、今年のゴールデンウイークは

国民の大半が自宅で過ごすこととなるでしょう。

本来この時期は観光客でごった返す京都ですが、今年は静かな、静寂とした

日々になりそうです。

皆さんはこの連休、どう過ごされますか?

何も予定はない、どうしていいかわからない、、、

という方も多いでしょう、私もその一人です!

さて、どうしましょう、毎日パソコンとにらめっこでしょうか。

でもせっかくですから、普段は忙しい家族とたまには一家団欒、

この機会によりいっそう絆を深めてはいかがでしょう。

家族でテーブルを囲って食事をしながら、思い出話に花を咲かせる

なんていうのもいいですね。

政府に対する愚痴や不満話もいいかも、、、(笑)

もしくは美しいものを見て気を紛らわしてください。

とにかくストレスをあまりためず、適度な運動と家族団欒、健康でいきましょう!

 

こちらは宗達の菖蒲図をモチーフに制作した訪問着の上前です。

生地は駒無地という光沢のある、つるんとした質感で、生成りなど薄い地色の

染め上がりは織の特徴からも、他のものに比べずば抜けて良い風合いに仕上がります。

柄は琳派の流れを忠実に再現するため、柳から菖蒲、八つ橋、流水とその絵の中に

配置した一つ一つの柄が、空気や存在感を感じさせるような工夫をこらしています。

特に、バックの柳と手前の菖蒲の色彩に注目してください、同じ緑の配色ですが、

後ろの柳には比較的濃度の薄いものや単色でぼかしのしてあるものが多く使われて

いますが、手前の菖蒲には緑の濃淡から、茶色を混ぜたものや、力の強い色など、

多種多様な緑色で配色してあります。この淡彩と多彩、色数の差やそこに菖蒲の紫、

白が入ることによって遠近法が作用し、絵の中に空気や空間といった目には見えない

感覚が生まれてくるのです。

この目には見えない感覚が柄全体の奥行や深さといったものにつながり、

観るものを飽きさせない、魅力の要素、味になるのです。

絵画や水彩画、着物の柄、そしてあらゆる美術、芸術には一見、目には見えない計算や

工夫が数多く仕込まれ、存在していて、それらのエッセンスを観るもの、纏うものが

嗅ぎ取ることによって魅力を感じ、美の共感へと誘うのではないのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

お好みは、いろいろ

 

今回は【うすもの】をご紹介!

まず、ぎをん齋藤のうすものとは。

ぎをん齋藤が提言するうすものとは単衣・盛夏共に着用する

ことができる、これからの時代に合った素材、生地のことです。

織目は絽のように粗いものではなく、また従来の単衣のように

一般的なものでもない、まったく新しい文字通り薄くて軽い

涼しげな風合いとなっています。

盛夏も含め、6月~9月までお召し頂けるうすものとなっています。

 

今回は帯をかえて、ご覧いただきます。

 

 

◆商品の説明

きもの うすもの付下

生地:すずかぜ

地色:ベージュ地

柄: 摺絵 楓

 

夏染名古屋帯

生地:縦絽

地色:白、紺

柄:桔梗・萩 虫篭

 

組み合わせ、コーディネートは様々で、それぞれに良さがあります。

お客様とお話しをしていましても、十人十色、お好みも違います。

最終的に、こちらの意見をきいてくださる心優しい方(いつもありがとうございます。)

もいらっしゃれば、やはりご自身の希望に沿ったコーディネートで決める方もおられます。

どちらが正しいとか、良いとか、そのようなお話ではないですが、結果、お客様の

ご希望に沿ったものが一番!ということは我々、いつも頭においてお話を

させていただいています。

話が少しそれましたが、合わせ方、コーディネートには何通りもの

選択しがあり、その中からお客様のお好みも加味したズバリ!

提案できてこそ、一流の専門店といえるのでしょう。