ぎをん齋藤
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齊藤康二

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京都東山の祇園一角に店を構えて170年余り、
呉服の専門店として自社で制作した独自の
染物・織物をこの弊店で販売しています。
ぎをん齋藤の日常からこだわりの”もの作り”まで、
弊社の魅力を余すことなくお伝えしていきます。
皆様からのお問い合わせ、ご質問などお待ちしております。
◆お問い合わせ
ぎをん齋藤 齊藤康二
TEL:075-561-1207
(Mail) gion.saitokoji0517@gmail.com

不穏な日々でも春

毎日の報道を欠かさずチェックする日々。

世界全体に広がった感染者の数字と比例する経済的不安。

出口の見えない濃霧が立ち込めている状況の中、

国も国民も目に見えない敵と戦い、もがきながら手探りで

前へ進もうとしています。

過去のことではない、2011年3月の東日本大震災。

あの時、日本は目の当たりにした恐怖と先の見えない不安に

怯えながらも、国が一つとなって完全復興目指して一歩を踏み出した。

そして約10年後、今回も日本独自の手法でこの難局を乗り越え、

来たるオリンピックを目指し、見えない敵に立ち向かっていくため

連日特番で有識者たちの議論が交わされている。

個人の力では何もできないが、身の引き締まる思いである。

一日も早く世界全体に平穏な日々が戻りますよう、

心から願っています。

 

ぎをん齋藤では、現在この春に向け様々な準備をしています。

何を言っている、とおっしゃる方もいるかもしれませんが、

我々は美しいものや感動するもの、それを追求し形にする。

そしてそれを皆様と共に共有することこそが本分であり、

使命であると確信しています。

ようやくあたたかく、心地よい春を迎えます。

お出かけなどといった気分ではありませんが、

こういう時こそ、華麗に咲き誇る四季の花々をゆっくり愛でるのも

良いではありませんか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

職人の引退

今朝、2019年度叙勲の内容が発表されたニュースを見た。

その中で紫綬褒章の発表もあり、決定者のコメントや記者会見などが報道され、

一同に謙虚と自信に満ち溢れたお顔をされていた印象を受けた。

そして今朝、ぎをん齋藤では約30年もの間、刺繍の職人として

携わっていただいた御歳83歳の素晴らしい”職人さん”が引退される

ということで、暫らくぶりにご挨拶にいってきた。

その方はいわゆる昔ながらの職人気質で、強面、自分の腕一本で

今まで家族も養ってこられ、この世界ではベテラン中のベテラン、

一種のオーラ、近寄りがたい空気も漂っているような方ではあるが、

一度打ち解けると話好き、かわいい笑顔でほほ笑んでくれるのである。

その方から先日(14日前)に引退をすると通達があった。

私の心情は”長い間お疲れ様でした!”と感謝の気持ちと同時に、

一人の貴重な人材(伝統)がこの世界から消えていくというなんとも

言えない、残酷な時間の流れというものも感じた。

今朝の叙勲の話だが、名前こそ世間にはでない無名な一職人ではあるが、長い人生

コツコツと台(刺繍をする机のようなもの)と向き合い、地味で誰にもその技量を

自慢することなくいつも自分と台に向き合い、他には真似のできないすばらしい

刺繍をされてこられたこの職人も十二分、紫綬褒章に値すると心から思う。

その方からするとそんなものいりません!とおっしゃるに違いないが、

その功績はやはり称えるにふさわしい、崇高なものである!と言いたい。

今朝、お会いしにいくと1人静かに新聞を読んでおられ、この歳まで仕事ができたことが

何よりの喜びであり、感謝しています。といつもの笑顔でおっしゃっていた。

ご本人はいたって元気でいるが、何処か寂しさが漂い一つの灯火が誰からも

称えられることなく、静かに消えていくのを身をもって感じた貴重な時間であった。

 

 

 

名古屋展示会ご案内!!

平成最後の今春、念願の<名古屋展示会>を開催いたします。

場所:八勝館

日時:平成31年4月18日(木)~20日(土)

午前11時半~午後5時まで

最終日は午後4時までとさせていただきます。

(お食事:11時半~と12時半~の二部制 要予約)

 

今回は完全予約制となっており、

詳しくはぎをん齋藤までお問い合わせください。

尚、人数に限りがございますのでご了承くださいませ。

(受付は4月15日までとさせていただきます)

お問い合わせ:

ぎをん齋藤

TEL 075-561-1207