ぎをん齋藤
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世間は広い

古裂が市場に出ないと嘆いていたら、京都在住のある男性が山のような数の古裂を売りに出したらしく、親しい古美術商が全部まとめて買い取ることになった。

手元に届いたとの連絡があり、早速、店を訪れると、まさに山のように積まれた古裂のコレクションを目にした。

話を聞くと、そのコレクターは全く古裂には興味がなく知り合いの古美術商から勧めらるままに買っていたというから驚きである。世の中には風変わりな人がいる、しかも同じ京都市内に、、、。

世間は広いと感じると同時にお宝は意外なところに眠っているものだと感心する。玉石混交のコレクションから私が買い求めたのは能衣装裂2点である。


桃山時代に初めて織り出された「唐織」は当時流行していた「縫い箔」を織物で表現しようとして始めたと想像されるが、名前とは裏腹にれっきとしたメイド イン 西陣である。

私のコレクションとなった2点は織り行きや絵に古格な素朴さが見て取れる。素晴らしい品が手に入った。