ぎをん齋藤
ぎをん齋藤

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摺箔の画材に悩む

順調に制作を続けてきた摺箔モチーフに悩んでいる。

最初に浮かんだ「波」と帯にした「雲取り」が、あまりうまくいったので、

まだまだ念じれば、名作を作れると安易に思っていたが、なかなかうまくいかない。

現在「金龍」を製作中だが出来栄えを案じている。

本来が室町時代末期に登場して50年ほどで消えてしまった技法だけに違った時代の柄に使うと違和感が出てしまうのであろうか、

その時代が生んだ技法はその時代のモチーフにしか合わないのだろう。

先日も金と銀だけでは無理があるから、岩絵具を併用したものを試作してみたところ金の強さに岩絵具は完全にうちまけてしまった。

最後の「土」は「極楽浄土」を目指しているが海の彼方に浄土の眩しい光が輝き、その輝きに向かって蓮の海が一直線に伸びているという構想を抱いている。

下地となるぼかし染は素晴らしい出来なのでなんとか自分で納得いく作品にしたい。

悩み続けている難題の「火」はギブアップになりそうな気配である。