ぎをん齋藤
ぎをん齋藤

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遺伝子由来産業

 

呉服業界のことを遺伝子由来産業だと思っている。

日本人女性はある年代になると突然きものが着たくなる、遺伝子によって先祖から受け継いだ、きもの生活を本能的に憧れてしまう傾向があると見ている。それに似た兆候は齋藤織物の織物塾を希望する若い女性たちと同じだ。

例え一年間無給でも織物が織りたい、機(はた)を動かしたい、と夢見て応募してくる彼女たちの気持ちと同じである。何千年もの間、自給自足生活で女性が家庭で機織りをして着物を作り続けてきた遺伝子が継承されているのだと思う。

それが証拠に間違っても男子は1人も応募してこない。だとするときもので生活をしてきた期間を平安時代から1000年とするときものを着なくなった昭和時代から現在まで約100年、差し引くとまだ900年は呉服業界は存続する計算になる(笑)。

勿論、業界が真っ当なものを真っ当な価格で提供して行けるかの問題がある。 きもの初心者が多い消費者につけ込んで儲けようとすれば、折角きものに興味を持ち始めた人達をガッカリさせ、不信感を与えて離れてしまうことになれば経済的にも文化的にも大きな損失となる。