きものを愉しむ / 

- 店主の記録 -

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筆 : 齋藤 康二

さて2025年、記念すべきお知らせとして現在新作の御所解染帯を制作している。

ご存じのように、ぎをん齋藤の御所解文様といわれる秋草尽くし(定番)、

今回はその柄を踏襲し、更にその魅力を最大に生かしたデザインを作り上げることができた。

それは舞台である竹籠から上へと伸びやかに広がる古典の草花、その主役には

菊と牡丹が鎮座し、そして脇役には従来の御所解を想わせるススキや女郎花、萩や藤袴といった

名役者が顔をのぞかせている。

この御所解文様はぎをん齋藤が長年温めてきた集大成であり、また次世代にふさわしい

優雅で華やかな「ぎをん齋藤の御所解染帯」を代表する逸品となるだろう。

今回、その骨格である下絵の完成にはとても満足している。

あとは本格的に色付けから刺繍まで、御所解文様の基本に則って完成まで

仕上げていくことになる。

満を持しての発表はまだ先となるが、どうぞ楽しみにお待ちください。

銘:花籠(はなかご)染名古屋帯

筆 : 齋藤 康二