店主日誌 / 

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筆 : 齋藤 康二

約50年前の「ぎをん齋藤御所解染帯」を現代に蘇らせるプロジェクトを進めている。

それは約半世紀前の商店、齊藤呉服店で制作されていた唯一の”御所解染帯”で、

当時から店の看板商品として京都の花街を中心に多くの方に愛されていた品であった。

そして今回、元となったそのオリジナルといっていい御所解文様を50年ぶりに復活させるため、

店に現存する様々な資料をもとに生地(鬼しぼ縮緬)は勿論、図案から草花の形、刺繍、疋田、墨入れ、

また全体の色合いまですべてを忠実に再現することを目標とし、当時の店主(私の祖父)であった先々代、

「齊藤正二郎」の御所解を現代に蘇らせるという願いも叶えたいと本心から思っている。

この写真は昭和46年、展示会のため店先に御所解染名古屋帯として飾った当時のものである。

写りが悪いため詳細はつかめないが、見てわかるようにとてもふくよかでおおらか、

また全体のバランスは見事に整っており、当時の御所解としては最高ではないだろうか。

さて、以前修復士として働いていた立場から言うと今回の再現は当時と同じ材料を使い、

正確な図案と写真、そして当時の事情を良く把握している職人、この環境で再現を行えば

間違いなく50年前のすばらしい御所解が出来上がると確信している。

そしてそれは来月4月に発表予定で、その全容は乞うご期待である。

昭和46年当時の発表 御所解染名古屋帯

 

 

筆 : 齋藤 康二