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ぎをん齋藤スタッフによる、染めに関わるウンチク+京都な日々をお届けします。敷居の高い印象を持たれがちな弊店を、少しでも身近に感じて頂ければ幸いです。

榀布(シナフ)の帯

Instagramに掲載しました「榀布(シナフ)」の帯を当blogでも掘り下げ(”ω”)ノ

「榀布」は新潟と山形の県境域を産地とし、榀(シナ)の木の皮から作った榀糸で作られます。

芭蕉布や葛布、藤布、太布…等々、日本各地に根付く様々な植物由来の織物がございますが、榀布もそのひとつです。

非常に古い歴史があり、ザックリとしたその素朴な味わいは現代に生きる私たちの感性も大いに刺激してくれます。

今回ご紹介した榀布は「綟織(モジリオリ)」組織の八寸名古屋帯になります。

一般にイメージする織物は、経糸(タテ)と緯糸(ヨコ)が平行直角に交差して布となりますが、

「綟織(モジリオリ)」では、隣り合う経糸が右に左に位置を変えてからみあい、

緯糸と緯糸の間にも隙間を作りながら布帛を組織しています。

「紗」とか「羅」などもこの組織の一種。

透け感のある組織に織ってますから、着用時期は盛夏(7・8月)がベストシーズン。

(※お召しになられる単衣着物の素材感によっては6月下旬・9月上旬に着用時期を拡げるのもアリかなとは思います。)

「分銅」の柄を撚糸の駒縫いで大きく描いていますが、

この組織によくぞここまで見事に縫い留めたもんだと、職人の手仕事に感心しますΣ(・ω・ノ)ノ ! オミゴト!

自然布の色合いが浴衣代わりのコーディネートも一段上級者に見せてくれますね(*’ω’*)♬

水にも強いこちらの素材、急なスコールも跳ね返します笑。

この夏の装いにどうぞご検討くださいませ。

 

ぎをん齋藤 大城

☎:075-561-1207 ✉:gionsaito-ohshiro@outlook.com