「落款」とは事業者が自筆で標した雅号のこと。
お気付きになられている方は少ないですが、ぎをん齋藤の
御所解染帯といわれる帯には全てこの「落款」が入っている。
仕立てが終わっているものは中に隠れるよう細工してあるので表には
出てこないが、実は丸巻の状態では折り返しの右端に
齋の字が白抜きで、刻印してあるのである。
ぎをん齋藤の御所解染帯「落款」

これは言うまでもなく商標登録した「ぎをん齋藤の御所解染帯」の落款であり、
またそれらは商標権を取得した品であるということになる。
さて、ご存じのように商標権とは自社製品、サービスなど独自のものをその事業者が
自社の商品であるとする権利であり、「落款」はそれを証明するために
使用するマーク、印である。
無論、その商品に対し独占的行使が認められ、独自の販売や活動が可能となる。
また第三者への抑止力となり、類似する商品の使用を禁止する効力もあるが、
「御所解文様」そのものは元来古典柄であり、日本の美術史に残る財産である故、
江戸以降、今日もいろいろな形で広く使われ、慣れ親しんだ
柄、文様と言っても過言でない。
まだ、公言するほど準備が整っていないが、御所解染帯について
新たなプロジェクトを昨年から進めている。
ぎをん齋藤の代名詞ともいえる御所解染帯、落款も含め
大切に扱っていきたい。