今回ご紹介するのは更紗の続き、銘は「縞柄文五種」という彦根更紗。
彦根更紗とは
井伊家旧蔵に収蔵されていた古渡更紗のこと。
当時、外来文化を尊重し新しい美の創造として指針を世に与えたものであり、
今日もその魅力は色あせていない。
縞柄というと本来ならば織物のもっとも特徴的な柄の一つだが、それを「染」
によって表現しているところが興味深い。
いろいろなバリエーションによって構成されている縞柄はフリーハンド、我々は手成りというが
その単純な線が複雑に構成されている。
色とりどりの縦縞、また太細の線とその手成りの緊張感で、更紗独特の雰囲気がある。
また、手成り独特の「味」がうまく生かされた作品であるともいえる。