彼はどういうわけか「何かをしようとすると何かが起こる!」不思議な運命の持ち主である。
私は彼のことを「嵐を呼ぶ男」(石原裕次郎主演の昭和の映画)と呼んでいる。数年前横浜で「三番叟」の公演を開催した折は
大雨警報発令でJRがストップし大勢の人達がチケットの払い戻しを余儀なくされた。
今年の春は京都で初お目見えの「杉本博司祭」をみんなで盛り上げようと思ったら
新型コロナウイルスで個展も開催が遅れ「三番叟」も延期になった。
今回は時間があったので久しぶりに彼と話したが、
私は声がかすれる、彼は耳が遠い、という訳でなかなか話が前に進まない。
全く歳はとりたくない!
作品の話や古美術の事など話は尽きないが2時間ほど話に花を咲かせたのであったが、
彼を出迎える為に新作「金銀摺箔日月図」を店先に広げておいたら、彼はそっちが気になって話に身が入らないようだった。
最後に細見美術館に移動して
「金銀摺箔波濤図」屏風をバックに2人で雑誌掲載写真を撮影して打ち合わせは終了、
コロナウイルス騒ぎの中でも杉本さんの表具、古美術を観ている時間はひと時の安らぎの時間であった。