数ヶ月前に紹介した「金更紗」の再現が帯として完成した。
下記に示した通り、ほぼ完璧な出来上がりと言っていいだろう。
再現したものが下の画像で、
そしてこれが、前にブログにも掲載した再現のもとになった袱紗の裂である。
萌黄色にバラの折枝と蔓を、顔料と金で描いた有名な前田家伝来の更紗は「結城紬の帯」として仕上がった。本歌と並べて表示してみると、生地の野趣味と重厚な金泥の盛り上がりが完璧なまで再現されている。何度も同様の仕事をしてきたスタッフと金彩師の連携の賜物である。
まず本歌を忠実に再現し、その手法をマスターしたらバリエーションを加えて展開していく私の手法が、ぎをん齋藤の妥協のない美が結実させていくのである。
素晴らしい出来で、すぐに売ってしまうのは寂しい気がするので、大切に保管しながら目利きのお客様にご覧に入れたい。例えば、茶道や煎茶の席に締めていただければ、この帯だけで席の話題には事欠かないだろう。