刺繍と一口に言っても、当然ながら沢山の技法、縫い方があります。
先日記事の天寿国繍帳は、日本の刺繍の黎明期さながらに、すべて「返し縫」という非常にシンプルな縫い方で仕上げられているそうです。
続く奈良時代には、中国から伝わったであろう「鎖縫」や「相良縫」、「刺し縫」などの技法も登場し、
表現方法の使い分けが意識されるようになります。
「鎖縫(クサリヌイ)」
文字通り鎖状の縫い方。中国の漢から唐時代に多用されたが、日本では奈良時代の作品に集中。
「相良縫(サガラヌイ)」
布帛の表面に結び玉を作る縫い方。
「刺し縫(サシヌイ)」
針目の方向を一定にして、針足に長短をつけながら縫いつめて面を表す技法。
ぎをん齋藤
大城 大
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