さて、9月も半ばになり幽玄の月を見上げると秋を感じるこの頃、
ぎをん齋藤は来月の「第73回京都秋の陳列会」に向け粛々と準備を進めている。
今回はご案内にあるように主題は”琳派”。
桃山後期に現れた本阿弥光悦、俵屋宗達などそれまでとは全く違う表現方法で作品を生み出した絵師たち、
そこから派生し発展していったその美を我々のもと、現代の類い稀な才能を持つ職人を通して蘇らせた品々
を所せましと陳列する予定で、皆様には”着るもの”として身近に感じてもらえたらうれしい限りである。
秋の陳列会も今年で73回目、遡ると昭和24年からとなる。
長年いろんな災害に見舞われながらも休むことなく続けてきたこの会はぎをん齋藤にとって
歴史ある意味深い催しであり、続けてこれたことへの感謝と、またこれから絶えることなく
やり続ける精神をもって臨んでいきたい。
そして享年74歳で亡くなった父と同い年というのも感慨深い。