きものを愉しむ / 

- 店主の記録 -

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筆 : 齋藤 康二

ビス糸

今回ご紹介するものは「ビス糸」。

さて、ビス糸とは簡単に言うと生糸を製糸する際に最後残る内側の糸のことで、

それを集めて一つのかたまりにし、真綿のように手で引っ張り

一本の糸に仕上げていく、これがビス糸である。

特徴は生糸にはない光沢と艶、そして不均一な「節」、これが曲者で、

製糸するには相当の手間と技術が必要となる、扱いの難しい糸である。

その節のため織り上げるには熟練の手が必要となり、もちろん手織りでなければ

織り上げることはできない代物である。

また、近年では製糸に手間がかかるため、取り扱うところも激減し、

手に入りにくくなったため、我々は取引先から全てを買い占め現在稀少な

糸として丁寧に取り扱っている。

まさに稀少な高級素材といっても良い。

ではビス糸で織り上げた商品をご紹介する。

間道袋帯

いかがでしょうか、この光沢と艶、これはビス糸でしか表現できない逸品。

筆 : 齋藤 康二