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筆 : 齋藤 康二

創業当時から何も変えず、オリジナルを保ちながら作り続けている「御所解染名古屋帯」を

”令和5年4月1日”から価格改定することになった。

先代が仕事に就いた昭和47年頃は約18万円、高度経済成長を経験し、バブル崩壊後の急速な景気後退から

消費税増税など、激動の昭和と政治経済の狭間で、我々の御所解も今まで幾度となく値上げせざるを得ない時があった。

そして今回も今の情勢に振り回され、また苦汁を飲まされる羽目となった。

ご存じのように原材料の高騰、そして諸経費の値上げなど、あらゆる物が近年値上がりしている世の中、

流通にのせない我々の御所解染帯も断腸の思いであるが、ついに24万5千円から26万円に値上げすることとなった。

どこもそうだが、この「値付け」に類することは先代も含め、代々とても気を遣う慎重な作業で、

特に御所解に関してはうちの看板商品、いつも”相変わらず”が基本中の基本である。

それ故に今回の値上げは上記にもあるように身を切られる思いである。

当社はこれからも物作りと品質の管理、そしてより高いところを目指していくことを改めてここに誓い、

その上で皆様にはご負担とご迷惑をお掛けすること重々心に留め、社員一同よりサービスの向上に努めていきます。

 

ようやくコロナから抜け出したと思いきや、またこのような足枷をはめざるを得ないとは残念なことだが、

当社の社是と同じく、これからも当たり前のことを熱心にし、仕事をわくわくする楽しいものにしていきたい。

(例)黒地縮緬御所解染名古屋帯:

令和5年4月1日より26万円に価格改定

 

 

筆 : 齋藤 康二