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筆 : 齋藤 康二

まだ記憶にある人も多いと思うが、以前2017年6月から8月の終わりまで、京都岡崎にある細見美術館にて

故齊藤貞一郎が蒐集した「古裂」の展覧会を約2か月の間行った。

当時本人の真意は、ブログにもあるように大変光栄なことだが、古裂の展覧会となると集客の反応も含め、

諸々心配事があると綴っており、またその目的は一生かけて蒐集した古裂を思い切って世間にさらし、

その染色の素晴らしさや技術の高さを肌で感じてもらい、それらを作り出した日本人の持つ美意識を再認識して

いただけたら幸いである、とも言っていた。

そして今年の7月、同じ細見美術館からのオファーで美しき色、いにしへの裂「ぎをん齋藤」と「染司よしおか」

の挑戦というタイトルでまた展覧することとなった、5年ぶりのことである。

今回の展覧会は、江戸時代より代々続く京都の染織家業を継ぎ、それぞれのスタイルで美を追求してきた二人の

美しい色彩や素材への「こだわり」、そして伝統技術の継承と、様々な思いを作品やコレクションと共にクローズアップして

お届けするという内容である。

そのお二人、生まれも育ちも京都のど真ん中、齊藤貞一郎は昭和23年、吉岡さんは昭和21年、ともに戦後の

高度経済成長期に生まれ、家業の染織という枠にとらわれず競争社会を勝ち抜いてきた共通点も面白いところである。

ぜひこの美しき色、いにしへの裂を観に行っていただきたい。

京都細見美術館 2022年7月2日(土)~8月28(日)

 

 

筆 : 齋藤 康二