スタッフ日誌 / 

DIARY / KIROKU /

筆 : 齋藤織物

前回、織る工程の中から「紋作り」についての紹介を行いました。
続いて今回は「糸決め」についてご紹介します。

まずは経糸(たていと)です。
織り方や織りあがりの風合いによって、だるま糸や紬糸、金糸、リボン糸など多種に使い分けています。
本数はざっくりとしたやわらかい裂にするか、かためのしっかりとした裂を制作するかで数を決めます。2、3種類の糸を混ぜたり、絹糸、金糸、絹糸のように交互に組み合わせた経糸を使用することもあります。

↓紬糸
↓金糸と絹糸を混ぜている

 

色は明るい色の帯のほとんどは白や生成りが多く、その他注文に合わせ、黒、茶、朱、緑、黄、締切(絣経)などを使用しています。
経糸の種類と色が決まったら糸を染め屋さんに染めていただき、その後、染まった綛(かせ)の糸を最初に決めた本数で手機にセットできるよう整経屋さんに整経をお願いします。

↓整経した糸は巻かれた状態です。糸が絡まないようボール紙の機草(はたくさ)と一緒に巻かれています。

 

経糸が決まったら次に緯糸(ぬきいと)を決めていきます。
素材としては、絹糸または金銀糸を主に使用していますが、他にも変わった糸の中には漆で着彩された糸や革に箔を貼ったもの、からむし(苧麻)、絹モール糸などがあり、それらの糸は太さや形状(うねっているなど)が多様でそこからデザインに合うものをえらび、1本または何本かを組み合わせて使用します。

 

 

試し織りを満足のいく配色になるまで繰り返し、配色が決まったら足りない糸を注文し必要分の糸を糸染屋さんに染め出していただきます。
柄は同じでも配色を変えることで雰囲気が全く違った裂ができあがります。

 

追伸
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片長

筆 : 齋藤織物