一年のうちに、数本織るか織らないかという頻度の「本袋」。
今まさに製織中!ということで、アトリエの多様な織物の中から「本袋」をご紹介させていただきます。
通常アトリエでは、袋帯の表と裏はそれぞれ別に織り、二枚を縫い合わせて袋状にします。
が、今回の「本袋」は表と裏を同時に織っていきます。
表の生地、裏の生地、表、裏・・・と地緯糸が通され、筒状に織り上がっていきます。
↑地緯糸を通すため、黒い経糸が上げられ開口している瞬間を真横から撮ったものです。
上側の黄色く見えているのが、表側になる生地で、その下側に茶色の裏側の生地が少し見えているのですがおわかりいただけますでしょうか?
二枚の生地が同時に織り上がっていきます。
↑帯のサイドを真ん中にして折ってみると、表と裏がくっついているのがよくわかると思います。
織物のミミの部分がくっついて、袋状になっています。
基本的に、製織中は表側は下を向いているので、普段は鏡で表側を映し出して確認しているのですが、今回の表側は筒状の内側になるので、ほぼ確認できません。
ですので、織り上げて内外を返してみるまでは、問題なく仕上がっているのかわからないのです。
仕立て上がってきたものを見るまでは、安心出来ません!
毎回ドキドキです!
安井