ぎをん齋藤
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神秘域

いつまでもカブトムシの画像を表示させていると「こいつはいつまで夏休みなんだ」と思われてしまいますので、そろそろ田中もブログを更新です。田中は暑さに弱い方ですが、何とか生きております。働いております!笑

さて、弊店のことに詳しい方ならご存知、現代アート作家の杉本博司先生プロデュースによる「神秘域(かみひそみいき)」公演が、去る9月1日夜、ロームシアター京都にて無事開催されました!

当初は4月25日に公演を予定されていたものですが、緊急事態宣言の発令を受け、やむなく中止の決断をされる事態となってしまいました。弊店一同も楽しみにしておりましただけに、非常に残念に思っておりましたが、杉本先生のお心意気もなまなかなものではなく、客席数を大幅に削減するなど苦渋の対策を講じてこの度、見事リベンジ上演を果たされました。

人間国宝・野村万作さんの老練な月見座頭、萬斎さんの圧巻の舞、裕基さんの瑞々しい躍動感、これを100数十名の限られた人数で鑑賞することの、なんと贅沢な、そして勿体ないことか…と複雑な気分になりました。

弊店は舞台で使用する幔幕や衣装の制作に協力させていただいた経緯があり、特別な気持ちで公演に臨みましたが、その辺りを先日発売された「美しいキモノ」秋号にも掲載されておりますので、まだご覧になっていない方は是非、ご一読下さい!

※画像はイメージです

 

杉本先生ならではの、普通の能-狂言の舞台とは一味違った装いで、より視覚的に楽しめる要素が多くちりばめられていたと思いますが、それでいて能の持つ精神性は少しも薄められていない、現代に生きる能楽の杉本先生なりの継承の方法なのかしら、などと浅学の身ながら妄想を巡らせつつ、何やら自分自身を超越したところから湧いてくる「場の力」とでもいうべき活力をいただいた心持ちで、美しい月を眺めながら帰路につきました。

何も分からないような写真しか撮れませんでしたが、あんまり月が美しいので、それすら公演を彩る演出かと思えてしまうほどでした。

あるいはそこまで織り込み済み…なのでしょうか?(笑)