ぎをん齋藤
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齊藤康二

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京都東山の祇園一角に店を構えて170年余り、
呉服の専門店として自社で制作した独自の
染物・織物をこの弊店で販売しています。
ぎをん齋藤の日常からこだわりの”もの作り”まで、
弊社の魅力を余すことなくお伝えしていきます。
皆様からのお問い合わせ、ご質問などお待ちしております。
◆お問い合わせ
ぎをん齋藤 齊藤康二
TEL:075-561-1207
(Mail) gion.saitokoji0517@gmail.com

散る桜、残る桜も散る桜。

良寛禅師の言葉。

形あるものは永遠ではない、必ず無くなるものでありそれが”生”というもの。

この世の中すべてにおいて理屈はそうだが、情緒的にとらえれば無情である。

またふと思う、記憶や思い出という消えないものはどうなんだろう、、、

物理的に考えるとすべては土にかえるということだが、心に刻まれた記憶や心情といった

手に取ることができないものはそう簡単に消すことはできないのが世の常。

必ずしもすべてが「散る桜」ではない、ということだろうか。

私の知り合いでまた大切な節目を迎えようとしている人がいる、理解しようとすればするほど

心を鷲掴みされ、締め付けられる思いに駆られる。

その方からはほんとにいろいろ教わり、真摯に向き合っていただいて、心から改めて御礼を言いたい。

そしてまた元気な姿でお会いしたい、そう願うばかりである。

:八重桜

儚さというものに大人げなくこの歳になっても涙もろくなる。

人に自慢できるものではないがそれなりにいろいろ経験し、学び、このようなことも

いくつかは乗り越えてきたが、やはり慣れるものではない。

因果応報、本来無一物。と頭では理解できても心が追い付いてこない。

これが人間の性というものだろうか、まだまだ自分は修行がたりないとまた言い聞かせている。

 

祇園甲部歌舞練場この春再開

令和5年4月、この春に祇園甲部歌舞練場が新開場記念となる。

思い起こせば平成28年、戦後以来の大規模改修工事が始まりようやく完結を迎え、

この春に「新華舞台祇園繁栄、あらたなるはなぶたい ぎおんのさかえ」と題し公演することが決まった。

祇園界隈も歌舞練場と桜という京都らしい春の風物詩を堪能できる記念すべき年となるに違いない。

「祇園甲部歌舞練場」は明治5年からの創始、約150年以上祇園甲部の顔として鎮座し、

国の登録有形文化財として近年まで”都をどり”をはじめ様々な伝統伎芸の振興に努めてきた。

それが近年、環境の変化による劣化や耐震の問題もあることから、日本の文化遺産として貴重な劇場建築を

次世代に残し、守るという宿運を全うするため大正2年以来の大修繕工事となった訳である。

そして今年、4月1日から30日まで桜と共にいよいよ京都の”都をどり”が新歌舞練場で再開する。

日本全国この日を待ちに待った人も多いのではないだろうか、、、

この春、京都の祇園は大いに盛り上がり、そして7年ぶりの新しい歌舞練場を私も楽しみにしている。

 

 

 

改めて御所解

ぎをん齋藤の御所解。

「御所解」とは四季の草花図に加え王朝文化や源氏物語を想わせる御所車、扇面などの

道具文を使い、風景画のような構成で留袖や訪問着など多くの着物に使われる文様の一つ。

遡ると創業当時(約180年前)から我が社の立役者として変わらず人気を博し、

今も尚、ご新規の方の約半数以上はやはりこの御所解をお目当てに来られる。

中には「ぎをん齋藤=御所解」!なんておっしゃる方もおられ嬉しいかぎりであり、

また一方不思議に思うところもあるが、確かに御所解文様には時代を感じさせない華やかさと

気品も感じられ、色とりどりの柄を見ると心躍るのもわかる気はする。

その種明かしという訳ではないが、作り手として言わせてもらうと制作工程はその他の商品と比べて

取り分け複雑というわけではない、地色と文様を作り出す生地白(地白)、摺疋田に刺繍、そして仕上げと

手は込んでいるが特別な素材や技法は使ってはない。

しかしそのすべての工程を組み合わせていくとパズルを完成させるように集約した素晴らしい御所解文様の

景色が現れ、公家の女性を連想させる平安時代、王朝の文化を彷彿とさせる完成された柄が当時の技法

そのままで表現されるのである、そこが今も変わらぬ魅力となっているに違いない。

しかし、まだまだぎをん齋藤の御所解は完成という訳ではない、長年変わらずやってきたことを踏まえ

よりその魅力を引き出すために原点回帰し、失われたものをまた再現していきたいと思っている。