ぎをん齋藤
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寒に入る

昨夜から寒い寒いと思っておりましたら、今朝は氷点下2-3度、洗濯物が凍らないかしらと心配しながらベランダに出ますと、さすがにいつもとは一段違いの寒さを感じました。

暦の上でも「寒」の時季に入り、一年で最も寒いとされる期間になった訳です。

日が昇っても気温はなかなか上がらず、店の中でも一同みな口をそろえて「寒い、寒い」とつぶやいております。女将に言われて庭の手水鉢を見てみると、さもありなん、薄氷が張り、鏡のように冬の青空を映し出しています。

高校時代、剣道部の部長だった友人から初めて「寒稽古」という言葉を教わりましたが、この「寒」の時季にはお酒やお味噌の仕込みが行われたり、やがて来る春に向けて入念に準備を整える、という習慣がありますね。

白生地の製織においても、この時期に糸を挽く場合は「寒の水」に一週間ほど晒してから使用したり、ということがあるそうです。「寒の水は薬」とも申しますのは、雑菌が繁殖しにくいなどの科学的な根拠もあろうと思いますが、来るものを拒むかのような冷たさ、厳しさ、近寄りがたさに、ある種の清らかさ、美しさ、もっと言えば神聖さを昔の日本人も感じて来たのではなかろうか、と想像します。

「寒」の時季が明ければ立春、生命の躍動する季節がやって来ます。立春の頃には明るい光が差すことを期待して、寒中のいまを雌伏し、雄飛するための翼を手入れしようと思う、本日の田中でした(^^♪