ぎをん齋藤
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厳島神社桃花祭御神能

先日のブログにもお知らせ致しました通り、この週末は安芸の国、宮島は厳島神社にて「桃花祭」の奉納能に参加して参りました!

直前まで台風一号の影響か、京都では小雨の天気が続いておりましたが、現地は素晴らしいお天気で、当日も見事な青空に恵まれました。

瀬戸内の美しく穏やかな海と抜けるような青空は、いつ来ても心が洗われるようです。旅の疲れも一気に吹き飛びました。

前回のブログのおさらいになりますが、田中が参加するのは、毎年4月15日に行われる祭典で、市杵島姫命をはじめとする御祭神に桃の花をお祭りする行事で、10曲の舞楽を奉納するのがハイライトとなっております。

その翌日16日~18日の3日間、喜多流と観世流が一日おきに能を奉納するのですが、中日の観世流のお世話役を務めるのが、私の所属する「大江観正社」なので、このように出演させていただく機会があるのです。

私は「鶴亀」の地謡です。「翁」に続いての二番目です。

朝からの出演ですから、前日入りしてお宿に伺う前に、厳島神社能舞台の下見に行きました。

 

神社の回廊に沿う形で桟敷が組まれ、拝観の方々も思い思いに出入りが出来るようになっています。

田中が到着した頃は午後15時くらいで、ちょうど引き潮の時間帯。能舞台の端にかかるようにして、修復中の大鳥居がはるか後方に見えていました。

来年には覆いが取れて、美しい姿を見せてくれるそうです。素晴らしい建築ですが維持するのも大変です。。

ちょうど狂言が行われているところでしたが、海を隔てた回廊にまでも舞台上の声が手に取るように届いて来ます。
訓練された演者の技術によるものも大きいですが、何と言っても舞台そのものの構造です。現在の能舞台がいつ作られたものか存じませんが、大昔の舞台家や建築家たちも、音響効果に大変こだわって研究と試行錯誤を重ねたことが偲ばれます。

 

さてさて、現地視察は十分に行って、その日はお宿でゆっくり休息。本番に備えます。

 

そして当日の朝!やはり素晴らしいお天気に恵まれ、ご神意を感じながら人気の少ない街を神社へと向かいます。

舞台の橋掛かりに直結するこれまた歴史を感じる楽屋で紋付に着替えて、直垂の一種である「素襖」姿に着付けていただきます。(当然ながら素襖は貸し出しで、私物ではございません(;^_^A)

じゃーん!!

いかがでしょうか?馬子にも衣装と言った感じで、それっぽく見えますでしょうか(笑)

同じく地謡として岩国からお越しになった素敵な御仁に、写真を撮っていただきました。マスク取れ!って感じですね…。

この状態からさらに烏帽子まで被せていただいて、いっぱしに下級武士の礼装となり、いよいよ海上の舞台に登りました。

 

 

晴れがましい体験をさせていただいたのですが、その舞台裏では色々ありまして…実は私、着座する順を間違えてしまったのです(*_*;

本当は一番下っ端なので、最も切戸口に近い側に座らないといけないんですが、色々ありまして…(笑)

後で大先生にもお叱りを受けましたが、それ以外は恙なく、素襖を踏んづけて転ぶこともなく、間違えて一人だけ飛び出して謡うこともなく、務めを果たすことが出来ました!!

海の上の舞台は本当に素晴らしく、こういう御縁がなければ一生経験できない体験をさせていただくことが出来ました。

この記憶は田中のポンコツな脳みそに深く刻みつけておきたいと思います。

舞台の後は帰りの新幹線もあり、当地名物のアナゴ弁当を頂戴して、お先に失礼致しました。

当日、プロのカメラマンさんに撮っていただいた写真が何枚かある筈なので、うまく入手できましたら、また後日ご紹介させていただこうと思います。

今後も田中の能ブログ(あれ?…何屋さんでしたっけ…)をお楽しみに!(笑)

 

 

※舞台関係の写真は大勢の方が映っておりましたので、掲載後ほどなく削除させていただきました。