ぎをん齋藤
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ブログ

六本木「武原展」盛況感謝

一昨日まで3日間の武原展が盛況であったと報告を受け、ありがたい気持ちで一杯であると同時に6年前の惨劇を思い出してしまう、多分、死ぬまで忘れられないトラウマとなるのだろうか。16000余名の尊い命を一瞬で奪い去った自然の脅威、教訓を風化させてはいけない。

さて今年の展示会は大勢の来場者を得て無事に終了致したようである。私は喉の不調で留守番役であったが、事前の物作りは、じゅうぶん満足いく仕事ができたので皆さんに喜んでいただけると確信していた。

6月の細見美術館における展観に先立って古裂を利用した、きもの・帯作りは「ぎをん齋藤」の得意とする手法で随分前から行なっているが、今回、初めて模様全体を切り付ける大作にも挑戦してみた。もし6月までに売れなかったら美術館で古裂として展示することも考えている。

振り返ってみると古裂は私の進むべき道を教えてくれ、古美術を扱う楽しさを教えてくれた、かけがえのない友人である。

嬉しい報告

前々回のブログに掲載した「杜若訪問着」が、あるお客様の目にとまりメールでご注文いただけたという嬉しい報告を社員から受けた。

新しい試みに共感して、お買い上げいただけるのは作家冥利につきるというものである。

実際のところ空気を表現するために出来上がった模様に金や銀、胡粉などを上から吹き付けるのだから職人の度胸が試される。

もちろん、残り裂の部分で何度もテストをしてから本番に入るのだが、やり直しが効かないから、どうしても躊躇するらしい。私は彼の技量を信じているから思い切ってやればいいと思うのだが、そうは行かないとみえる。

このような試みを行なっている呉服屋は日本中で多分「ぎをん齋藤」一軒だろうが、もの作りを楽しみ、新しいことに挑戦して行くのが私の流儀である。

早速、次の作品は秋の武蔵野をイメージして朝靄に烟る秋草に挑戦してみようと思っているが、思惑通り低く立ち込める朝靄が表現できるか楽しみである。

改めて「ぎをん齋藤」の自己紹介

販売窓口の会社、染物会社と織物会社の3社で構成されている「ぎをん齋藤」は、社員と職人(外注職人を除く)を合わせ総勢25名で運営されている。

チッポケな会社であることは確かだが、小さくてもキラリと光るダイヤモンドような存在だと自負している。

会社は大きいばかりがいいとは限らない、年商何千億とか言っても見たこともない金額で、人間の身長は太古の昔から数十センチしか大きくなっていないのに会社の規模だけはここ100年で何万倍も大きく膨れ上がった。

人間の身の丈に合っていない規模になると細部がおろそかになるのは当たり前、特に我々のような繊細な感性が重要視される業種は隅々まで主人の目の届くことが肝要であり、大規模は藪蛇だと考えている。

決して負け惜しみを言ってるわけではなく今の規模は適正規模だと思っている。

特技は「御所解」、賞罰は日本伝統工芸展 新人賞受賞 、罰はナシ、今年で創業174年の会社である。