ぎをん齋藤
ぎをん齋藤

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お礼とお詫び

一昨日まで開催していた「師走はんなり展」は予想を超える来場者に驚きと感謝の気持ちでいっぱいである。

例年3日間で100名程度を想定して営業社員を帯同しているが、本年は158名と過去最高の来客に社員達は昼食を食べる暇もなく接客に追われる有難い誤算であった。

お詫びは私の健康問題である。事前に出席のブログを掲載したので数人の人から声をかけられて、ご挨拶はしたが会場の乾燥と埃、話をする喉の負担から発熱をし、初日こそ4時まで頑張ったが2日目は2時間程度、3日目は早々に帰京と散々な結果になり申し訳なく、私の顔を見に来てくださったお客様にはお詫びを申し上げます。

日常の仕事だと柄のアイデアを頭の中でまとめたり色見本帳をひっくり返したりと座っている事がメインだが、展示会場はあっちから呼ばれ、こっちで挨拶するなど病人にはまだハード過ぎたと後悔している。

今回の盛況の理由は「ぎをん齋藤」が作り出す個性的で上質なきものや帯が東京の人達に支持されたものと思う。全て自家製造に徹し、同業者の製品を一切省みることなく、ただ自分の世界だけで作る姿勢が、安心できる「良きもの」を探し求めるお客様の心を掴んでいるのだと思う。

命ある限りものづくりに精進したいと思っていますので、変わらぬご指導とご支援をお願いします。

「師走展」近づく

銀座「かねまつホール」における恒例の師走展が近づいています。

咽頭ガン治療のため2年続いて欠席したこの会に久し振りに出席したいと体調を整えながら物作りに励んできました。声は相変わらずかすれ、口は渇いて話しづらい状態ですが、お客様に会いたい気持ちと久し振りの遠出に遠足を心待ちにしている子供のように胸が膨らむ思いです。

お陰様で喉以外はすこぶる健常で様々な物作りに挑戦し、大作を完成できましたのは仕事への愛情と執着心が成せたものと自認しています。

その大作「桃山縫い四季草花」訪問着は日本刺繍の至高ともいうべき作品で、ぎをん齋藤の看板とも言える出来栄えとなりました。

途中で幾度となく手を加え一年がかりのことはあり、本歌に劣らぬ桃山時代の力強さを表現できたと我田引水いたしています。

物作りに妥協せず自分の眼と美学を信じて作り続けてきた「きものと帯」を、ぜひ御来駕のうえご批評いただければ幸いです。

近くにあった名建築

下鴨神社敷地に隣接するように建てられた名建築を訪ねた。

我が家から徒歩5分に「旧三井家下鴨別邸」(重要文化財)が存在していたとは全く知らなかった。数週間前に新聞で報道されていたので散歩がてら訪ねることにした。

世界遺産 下鴨神社は糺ノ森の一角にあり京都の原風景と言われているが、別邸もナラの巨木が林立する中に平地を切り開いて建てられたものらしく、原野のたたずまいが色濃い。

玄関から見る一部三階建ての木造建築は明治、大正、昭和の三代にわたって建てられた旧三井家所有の建物を神社参詣の休憩所として合体移築したらしく、一種の不自然さは否めない。

庭園は庭師の作為を感じない素朴な日本庭園で、池に面する茶室は小さな滝から落ちる水音が和敬清寂を醸し出す。

主屋は縁側を広くとった書院様式で広間から庭園を一望に見渡せる。三階部分の望楼は「大文字焼き」を数人で楽しむにはうってつけのロケーションである。

杉戸に描かれた「原 在正」の孔雀図も素晴らしく、何十年もこの地に住まいしながら気が付かなかった隠れた名所が存在するのも、京都の懐の深さかもしれない。