ぎをん齋藤
ぎをん齋藤

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作品番号3「金銀摺箔日月屏風」が完成

私が特にこのモチーフにこだわったのは「太陽と月」、「陽」と「陰」とも例えられるが、

この世に男と女しか存在しないことから見ても、この世の成り立ち其の物とも取れる。

宇宙の誕生は「ビッグバン」と呼ばれているが太陽系の惑星が誕生した時に地球も誕生し、

地球から月が惑星として誕生したと教わった。

そんな物理的な物体としての興味ではなく、毎朝、東の空から昇る太陽は神として崇められ、

日本では「天照大御神」として八百万の神を支配する絶対神となった。

一方、月は夜空を照らし夜を支配する神である。

その両者を「日月」として人類は崇拝してきた。

その精神性を作品としたいと考えたのである。

私を含めて全ての生き物が肉眼で見た空に浮かぶ不思議な球体であったはずだ。

「七曜星」をテーマとして「摺箔」の作品を作ろうとした際に最も力を入れて作りたいと決めたのがこの「日月」である。

 

そして、ご覧の通り予想以上の迫力と威厳が備わった屏風として完成した。

寸法は前回の「波濤図」とひとまわり小さい「利久形」と呼ばれるサイズで高さ約170cmである。

私はこの作品で「伝統工芸展」に自信を持って出品し、審査を受けようと思っている。

「摺箔」という古い技術を現代に活かし「桃山時代」がこんな素晴らしい技法を産んだ時代であったことを知ってもらいたいと願っている。

きもののページが婦人誌から消えた理由

その理由は何なのか?

女性が着物に対して興味を亡くしたとも思えないから、別冊にして着物愛好者を対象にした本を作る方が効率が良いと出版社が考えているように思える。

月刊紙に毎月モデルや女優に着物を着せて撮影するとなると費用がかさむ。

カメラマンとスタッフや着用する着物の提供会社、メーキャップ、美容師、着付けなど特別お金が掛かる。

雑誌不況と言われる時代に、そんな贅沢をしている余裕はないのも理解できる。

私が「ミセス」で連載していた時代は今から考えると夢のような時代であった。

私が選んだ女優さんとギャラの交渉して、有名カメラマンとカリスマ美容師さんで、わずか1カットのロケ撮影をする。夢のような時間が流れた。お陰でこの女優さんにはこのように着物を作ればよく似合うと勉強した。それに比べ現在の雑誌はあまりにも現実的すぎる。

雑誌は読者に夢を与える仕事ではないのか?

世知辛い浮世から読者へ、ひと時の夢を見せる仕事だと思うが経営者の視点からすると利潤第一との結論になるのも理解できる。

夢と現実とのバランスをいかに取るかは人間の永遠の命題である。

廃仏毀釈運動、文化大革命

過去の遺産が一時の感情で壊されてしまう悲惨な事実が歴史に残されている。

日本では明治初年、祭政一致をスローガンとする政府の神道国教化政策・神仏分離政策によってひきおこされた仏教排斥運動で、各地で仏堂・仏像・経文などが破棄され、多くの貴重な文化財が壊されて焼かれた。

ぎをん齋藤が現在ある場所の元は某法衣屋さんの持ち物であったことが古地図で判明したが「廃仏毀釈」で倒産したらしい。

最近の例でもIS(イスラム国)がバーミヤンの石仏を破壊する愚行が行われ、中国でも「文化大革命」と称して

1960年代に反ブルジョワジーを掲げて文化遺産を破壊し多くの人々を粛清し1977年に終結宣言がなされた。

その中国は今ではプライベートジェット機で北海道にスキーを楽しむ時代になった。

中東でもキリスト教文化を破壊してイスラム教の文化を築くこともよく散見する。

一度破壊して仕舞えば、もう戻ってこない貴重な文化財を破壊する蛮行は国の文化が成熟する過程で見かけらる現象だが人間は愚かな生き物だとつくづく痛感する。