地染め

地染めとは、白生地を指定した色調に染めることで、まず無数にある色の中から適した色を調合し、寸分の狂いなく色見本と同じ色調を作り出します。

生地の両端を張り木で引っ張り、伸子(しんし)で生地の横方向を伸ばして傾いたり捻れないようにし、ピンと長く張った生地に刷毛一本で手早く全体にムラなく染めていきます。

染め方には「ぼかし染め」や「染め分け」といった技法もあり、職人の熟練技術と長年の経験が生み出す色への敏感な感覚が必要とされる、大変繊細な作業です。現在ぎをん齋藤では、先々代から続く熟練の引き染め職人さんに長くお世話になっております。

時に無理難題を持ち掛け、どうしても色を合わせるのが困難なこともありますが、それでも最後にはぎをん齋藤らしい良い色を出してくれる。こうして共にもの作りができることは私たちの喜びであり、さらに美しく良いものを生み出したいという職人自身の挑戦でもあります。