ぎをん齋藤
ぎをん齋藤

女将思い出語り

自身にも問う

真夏日のような陽ざしに既に散った桜木の隣りで新緑した柳の葉がゆらゆらと春風にながれています。

この4月に私は、人生初の全身麻酔にて年齢相応の腰脊椎狭窄症の診断で手術を受けました。担当医の先生より、現代の数々多い治療法を伺いましたが、私が、先生に「ご自身が、同じ症状なら、どうされますか?」と質問したら、即座に「手術をうけます!」とのご返答にて私も即決しました。

ここから二週間外科病棟の入院生活が始まったのですが、同棟には共に苦痛や悩みを抱えた同朋達が大勢いらして、その人間模様が、実に興味深いのです。

それは、術後の回復に伴い、少しずつリハビリを始めるのですが、各々の状態に合った歩行補助具に支えられて廊下を行き交うのですが、そんな折 向こうから屈強で日焼けした強面のオジサンが、首にドーナツ状の補助具を巻いて来た時、ふと慈悲深い 優しい顔付きで道を譲ってくれたり、また、

超セレブ風で「ツン!」と気取ったご婦人達がお互いに慰め合い、励ましている様を観ると、実に興味深く、私はその温かく、穏やかな、空気感に包まれて背中の痛みも忘れるほどに心が満たされました。

 

我々は、社会の中では、地位 名誉 財産等で飾られた自身が、「闘病」と言う平等な立ち位置に置かれた時、無意識に徳を積んで 1日も早い回復を渇望する心境の変化なんだろうと想像します。

何故 社会に戻るとこの心が壊れてしまうのでしょうか?
現実社会は、競争世界なんでしょうね。

 

自分自身にも問う!